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【グレンデール(米アリゾナ州)10日(日本時間11日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(30)が、同地のキャンプ施設でメジャー8年目のキャンプ初日を迎える。ド軍のバッテリー組は11日(同12日)、同地でキャンプイン。前日は同施設で調整した。エンゼルス時代の23年以来、2年ぶりとなる「二刀流」での復活へ向け、今キャンプの見どころとは-。「投手大谷」の調整を重点に、徐々に調整ペースを上げていくことになりそうだ。
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プロ野球選手にとって「正月」といわれるキャンプインを翌日に控えた大谷は、クラブハウス内での独自練習を終えると、屋外でトレーニング用の重い球「プライオボール」を使ったアップ、約1時間のケージ打撃などを行い、自主トレを打ち上げた。3日のアリゾナ入り後は投手、打者、走者として連日異なる練習メニューを消化し、誰よりも貪欲に鍛錬に励んできた。
昨季は、史上初の「50-50」を達成。2年連続MVPに選出されるなど、メジャー最高の打者としての立ち位置を確立した。それだけに、「投手大谷」としての完全復活が、今季最大のテーマとなる。すでにブルペン投球を開始している山本ら他の選手と比較すると、やや遅れ気味の感は否めない。
だが、同地での自主トレでは、23年のトミー・ジョン手術、昨年の左肩手術の不安を感じさせない、滑らかな動きを披露してきた。これまでのセットポジションからノーワインドアップに変更し、グラブや左手の動きを修正。新投球フォームの定着に時間を費やしてきた。年明けには、左肩のリハビリを進める中、自宅のあるロサンゼルスの大規模火災のため、緊急避難を余儀なくされたほか、インフルエンザで体調を崩すなど、予期せぬアクシデントにも見舞われた。
それでも、汗ばむほど温暖な同地入り後は、着実にペースアップ。平地ながらも捕手が座った状態で強めの投球を反復したほか、傾斜のついたプレート板からの投球練習を行い、いつでも「ブルペン入りOK」の状況まで回復した。打撃練習だけでなく、グラウンドではベースランニング、ハードなサーキットトレをこなしており、走塁への高い意識も変わっていない。
周囲の予想をはるかに超える、20勝&「50-50」は、はたして可能なのか-。無論、大谷が見据えるのは自らの個人記録以上に、山本、佐々木の「侍トリオ」でつかみ取るワールドシリーズ連覇。心身ともに本来のリズムを取り戻した大谷の8年目が、いよいよスタートする。