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ソフトバンク小久保裕紀監督(53)が8日、若手サバイバルのゴングを鳴らした。宮崎キャンプ第2クールの3日目、新設された「S組」は26日の韓国ロッテ戦まで原則出場しないことを明言。同日までの紅白戦2試合と、オリックスとのオープン戦2試合はレギュラー争いを繰り広げる若手に出場機会を与える方針を明かした。主力抜きの実戦4試合で熾烈(しれつ)なアピール合戦が勃発する。
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小久保監督は「S組」の初実戦について「希望があれば考えるけど26日からの予定」と明言した。「S組」は今季から新設された調整を一任されている主力組のことで、野手では柳田、近藤、山川、今宮、中村に加えて左膝の手術明け周東がいる。つまり26日の韓国ロッテ戦までは若手にとって出場機会が増える絶好のアピールの場になる。
まずは週末の15、16日の紅白戦が25年小久保ホークスの初実戦。15日は6イニング、17日は7イニングの予定だ。今季は22年以来3年ぶりに宮崎でのオープン戦が組まれ、22、23日のオリックス戦までの4試合が若手主体で行う実戦。奈良原浩1軍ヘッドコーチ(56)も「今のところはそういう予定にしています。S組は26日からになると思う」と見通しを語った。そのうえで「普段はじっくり見られない若い選手の試合での適応能力や対応の部分を見る4試合になるかな」と狙いを語った。
さらに11~13日の第3クール中に2度、18日にもライブBPを実施する。若手にとっては実戦4試合を含めて7度も目に見えた形で「結果」を出す機会がある。昨年は紅白戦から柳田や山川ら主力が出場していた。「チーム内の競争がない限り発展はない」と話していた小久保監督以下、首脳陣の意図が伝わる。
野手では一塁・山川、右翼・近藤、左翼兼DH・柳田の開幕スタメンが確約されている。先発陣では開幕投手の有原を筆頭に、モイネロ、スチュワート、大関が内定。新加入の上沢もローテ入りが有力視されている。「ポスト甲斐」で注目が集まる捕手バトルや残り1~2枠のローテ枠を巡り、熾烈(しれつ)なアピール合戦になる。【只松憲】