女子サッカーのWEリーグ・アルビレックス新潟レディースが5日、新潟市内で新加入選手発表記者会見を行った。今冬の全日本高校女子選手権で6ゴールを奪い、静岡・藤枝順心を史上初の3連覇に導いたFW藤原凛音(18)は、リーグ再開初戦の3月2日C大阪ヤンマー戦でのプロデビューに向け、変幻自在のドリブルと、得点能力をアピールしていく。
◇ ◇ ◇
多くの大舞台を経験してきた藤原も、プロの船出となる新加入会見は少しぎこちない表情だった。冒頭の決意表明では天井を一点に見つめた。まだ18歳。終了後は「(選手権決勝より)緊張した」と笑ったが、ピッチでは観衆の度肝を抜くプレーを連発する。
今冬の全日本高校女子選手権は全6試合に出場して6得点をマーク。鹿児島・神村学園との決勝(5-0)では前半42分にチームを勢いづける先制点を決めて3連覇に貢献した。24年度は夏の全国総体も制し、「高校2冠」を引っさげプロに飛び込む。
「高校3年間でプレーの幅が広がった。これまでとはレベルの違う舞台で、しっかりとタイトル、勝利に貢献できるように頑張りたい」
鋭利に敵陣を切り裂くウインガー。ドリブルタッチは独特で、右サイドに入る時は利き足と逆の左足でボールを運び、逆サイドに入る時は右足でタッチして相手を惑わす。「カットインだけでは相手に読まれる」と中学時代からトップスピードに乗ったまま両足でボールを扱う技術を磨き上げ、両翼から縦にも中にも勝負できる突破力を身につけた。新潟には昨年6月に練習参加。紅白戦で1得点して契約を勝ち取った。小川貴史GM(47)は「どんな形でも点を取る勝負強さ、度胸が武器」と期待する。
将来の夢は「なでしこジャパン(女子日本代表)で世界一」になること。21年にU-15女子日本代表を経験しており「そこ(夢)から逆算してU-20W杯に出たい。1日1日を大切にして、新潟で試合に出るところから頑張っていきたい」。プロ1年目から定位置をつかみ、夢に向かって突き進む。【小林忠】
◆藤原凛音(ふじはら・りおん)2006年(平18)7月16日生まれ、愛知県出身。シルフィードFC-朝日インテックラブリッジ名古屋スターチス-藤枝順心高。21年U-15女子日本代表。22年静岡県選抜で栃木国体準優勝。全国高校女子選手権は22年から3連覇。全国高校総体は23、24年優勝。U-18女子サッカーファイナルズは23、24年準優勝。162センチ、55キロ。利き足は右。
◆その他新加入選手の目標
FW新堀華波(24=スフィーダ世田谷)「点を取ること。FWなので自分が点を取ることができれば、タイトルに近づくことができる」
MF宮本妃菜里(22=東洋大)「ゴールを生み出す。アシストや得点が特徴なので、そこを新潟でしっかり発揮する」
DF横山笑愛(18=新潟U-18)「チームの軸になる。今は大きすぎる目標だが、後に軸になる選手になりたい」
○…橋川和晃監督(53)は新加入4選手がチームの起爆剤になることを期待した。藤原には「サイドアタッカーとしての能力が高い。メンバーとの組み合わせから、いろいろな位置でも特長を出して行ってもらえたら」と話した。首位とは勝ち点8差でリーグ戦5位のチームは10日に沖縄キャンプをスタート。巻き返しに向け「残り11試合で平均勝ち点2を取り、後期で1位=優勝を目指す。細かい目標を立てながらタイトルに挑み続ける」と気合を入れた。