大体大から新加入のセレッソ大阪FW古山(ふるやま)兼悟(22)が、14日のJ1開幕ガンバ大阪戦(パナスタ)でのプロデビューに名乗りを上げた。
アーサー・パパス新監督(44)は4-2-3-1システムを基本にするとみられ、最前線は新加入のブラジル人FWラファエル・ハットン(29)、J2ベガルタ仙台から約3年ぶり復帰のFW中島元彦(25)、大卒新人古山の3人が争う。
5日、大阪市内での公開練習後、取材に応じた古山は「気持ちは高まってきたが、自分の序列は下の方。こつこつ、ひたむきにやるだけ」と気を引き締めた。
昨季のルヴァン杯と同じように、今季からリーグ戦などJリーグの公式戦は、2枠増のベンチ入り20人(先発11人、控え9人)に変更される。
物理的な可能性を含め、2日に打ち上げた宮崎キャンプでは、仙台との練習試合で初得点を挙げてアピールに成功。関係者によると、さらに最終日に完全非公開で実施されたJ2クラブとの実戦でも、スーパーミドル弾を決めたという。
ハットン、中島の勝負とみられた定位置争いに、古山が結果で割り込んだ形になった。
「あまり期待しすぎても(ベンチ外になった場合)ガクっとなる。そういうのを昨年の特別指定で経験(=登録されたものの出場機会なし)している。一喜一憂しないように、でも初戦は本気で(ベンチに)入ろうとアピールしている」
パパス監督はこの日、G大阪戦について「練習を通して成長し、若手がアピールするのも大事。練習で成果を出す選手を、できるだけ試合で使ってあげたい。全てを毎回、出し続けてくれるのがいい選手」とコメント。古山のベンチ入りはもちろん、出場の可能性もありそうだ。
C大阪の大ファンで、本拠地がある大阪市東住吉区生まれの古山にとっては、大阪ダービーは幼少期から特別な舞台だった。
小学生だった12年12月23日、C大阪の本拠地長居スタジアム(現ヤンマー)で実施された天皇杯準々決勝を生観戦。G大阪に延長戦の末、遠藤のFKから家長の決勝ヘッドで、1-2で敗れた試合の記憶が鮮明に残る。当時は杉本健勇、柿谷曜一朗、山口蛍、南野拓実らがいた。
「大阪ダービーは普通に見に行ってましたね。友人も昔から燃えていた。そこに自分がメンバーに入って携わりたい。控えが9人といっても(チーム内には)すごいメンバーがいらっしゃる。僕は黙って頑張るだけ。メンバーに入って、試合に勝てるように頑張りたい。入れなくても、チームのために頑張ります」
大阪ダービーの魅力を知る新人ストライカーが、最高の舞台でプロデビューを目指す。
◆古山兼悟(ふるやま・けんご)2002年(平14)7月11日、大阪市生まれ。IRIS生野SS、立正大淞南から大体大に進学。大学2年時の関西学生1部で12試合連続ゴールを決めるなど19得点で得点王に。大学3年だった23年に全日本大学選抜入りし、9月にC大阪入り内定&特別指定に。24年も特別指定され、同年12月の全日本大学選手権に初出場、1ゴール&ベスト8。178センチ、70キロ。