広島床田寛樹投手(29)が新球で勝ち星を稼ぐ。マツダスタジアム隣接の室内練習場で自主トレを公開。ノックなどで汗を流し、キャッチボールでは新球を試投した。「遊びですよ」といいつつ「意外と真横に曲がった」と手応えもつかんだ。
ツーシームの握りで人さし指と中指を離して球を持ち、タテに球を切るように投げると横に変化する。スイーパーのような球で、通常の斜めに変化するスライダーより、数キロスピードが落ちるイメージだという。「寝転がってるときに、ああ、これええんちゃう? って」思いついたボールで、まだ傾斜を使って投げておらず、今後キャンプで試し、打撃練習などで投げて打者の反応も見たいという。変化が違えばそのぶん打者を考えさせることができる。実戦投入が可能と判断すれば、新たな武器として使う可能性も高まる。
床田は2年連続で11勝をマーク。昨季は8月までに11勝しながら、9月以降は4連敗に終わった。コンスタントに勝ち星を伸ばせれば、15勝以上の勝ち星も狙える。広島の左腕投手で15勝以上は、16年のジョンソンと83年の川口(ともに15勝)だけ。「自分次第ですね。去年もそこ(9月)で2、3個勝っておけば、それくらい勝てたと思う。やっぱり勝負どころで勝つことと、まず負けを減らすことですね」と、終盤失速した昨季のリベンジに燃える。新球が、その相棒になるかもしれない。【高垣誠】