NHKは25日、「おはよう日本」で王貞治氏(84=ソフトバンク球団会長)を特集し、同氏が野球振興活動に精力的に取り組む意図を明かした。
王氏は現在、WCBF(世界少年野球推進財団)の理事長を務め、野球教室などで子どもたちへ野球の楽しさを教えている。そのきっかけは06年、胃がんによる胃の全摘だったという。「自分がどこまで生きられるかわからないし。逆にそういう病気をしたことによって、より真剣に野球に対して恩を返すことをね、現実のものとして考えるようになりましたよね」と語った。
野球教室では自らバットを持ち、子どもたちへ直接声をかける。王氏は「とにかくね、子供ってほんと正直だなと。本当にうれしそうに(野球をする)。ボールが捕れなかったり、バットに当たらなかったりしたら、悲しそうな顔をするしね。やっぱり目の輝き、うまくいった時の。あれはもうとにかく心が洗われますよ」と声を弾ませた。
用意された色紙には「我が命」と刻んだ。続けて「いつの間にか、野球は我が命になってしまいました。物心ついた頃から(野球を)やってて。一番言えることはね、飽きないんですよ。常に飽きない。難しいからですよ。簡単じゃないから。本当にね、こんな1センチにもならないような差とかね、そういうのがあるわけですよ。だからとことん追い詰めたくなるんですよね。もう一度生まれ変わったって、僕は野球をやりたいですよね」と語った。