ロッテからポスティングシステムで米移籍を目指していた佐々木朗希投手(23)が17日(日本時間18日)、ドジャースと合意した。自身のSNS上で発表した。25歳以下のルールでマイナー契約ながらも、契約金は約650万ドル(約10億100万円)。大谷翔平投手(30)、山本由伸投手(26)との日本人トリオで、今世紀初のワールドシリーズ連覇を目指す。この日には、阪神から同制度でのメジャー移籍を目指していた青柳晃洋投手(31)はフィリーズと契約し、メッツからFAとなっていた藤浪晋太郎投手(30)がマリナーズとマイナー契約で合意したことも明らかになった。
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20球団が参戦したともいわれる争奪戦の末、佐々木が選択したのは、早い時期から有力候補に挙げられていたドジャースだった。ロッテが佐々木のポスティングを認可した時点で、日米両球界では「ド軍最有力」の情報が飛び交った。その一方で、代理人を務めるジョエル・ウルフ氏は、佐々木の人生観を背景に、大都市だけでなく、地方都市を含めた公平な選択肢があることを明言していた。
昨年の交渉解禁後、佐々木側は少なくとも8球団以上と直接折衝。「第1次交渉」は、各球団ともすべてロサンゼルスにある代理人ウルフ氏の事務所で約2時間以内で行われた。佐々木自身の意向もあり、所属選手の同席は回避されるなど、公平感を重視される形で折衝は進んだ。
年末年始で一時帰国した佐々木は、年明けに再渡米し、最終候補に絞り込んだパドレス、ブルージェイズ、ドジャースの本拠地を訪問。最終交渉に臨んだ。その際、パ軍ダルビッシュ、松井、ド軍大谷、山本らがどんな形で「出馬」したかは不明だが、各日本人選手が助言を送ったことは想像に難くない。
佐々木は、自身のSNSに思いをつづった。
「とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて振り返ったときに、正しい決断だったと思えるように頑張ります。入団会見では、ここまで支えて頂いた全ての皆さまに感謝しながら、ドジャースのユニホームに袖を通したいと思います」
金銭的な条件ではなく、最良の環境を求めていた佐々木が、最終的に決断した理由は定かではない。ただ、野球選手としての成長と、チームとしての勝利を同時に求めるとすれば、昨季世界一に上り詰めたド軍の環境が、メジャー屈指であることは間違いない。