<全国高校サッカー選手権:前橋育英1-1(PK)流通経大柏◇13日◇決勝◇国立
前橋育英(群馬)が7大会前と同じカードとなったファイナルで流通経大柏(千葉)を1-1からのPK戦で下し、7大会ぶり2度目の優勝を飾った。
2017年(平29)度の対戦では、前橋育英が後半アディショナルタイムの決勝点で初優勝を遂げていた。今回も激闘となったが歓喜を再現して見せた。
今大会4試合で16得点という高い攻撃力を誇る流通経大柏が早々に先制した。前半12分、J3富山への加入が内定しているMF亀田歩夢(3年)が中央で相手をかわし、右足シュートをゴール左隅へ決めた。今大会4点目となった。
前橋育英も反撃した。前半31分、右サイドでMF黒沢佑晟(3年)が鮮やかなターンで相手マークを外し、クロスを送るとMF柴野快仁(2年)が頭で押し込み1-1の同点とした。
同じ高円宮U-18プレミアリーグEAST所属のライバル同士。今季は1勝1敗と五分の通り、この日も拮抗した好勝負となった。ともに強度の高い攻守をベースに鋭いボールをゴール前へ展開。目まぐるしく攻守が入れ替わった。
前橋育英は後半12分に動いた。スーパーサブとして注目される161センチの小柄な2年生ドリブラー、白井誠也を投入。準決勝の東福岡戦では切れ味鋭いドリブルを次々と披露し、40メートルのドリブルで好機を演出するとゴールも決めてみせた。その白井を2列の右に配置し、勝ち越し点を狙った。
後半34分には、カウンターから左サイドでパスを受けた白井がゴール前のエースFWオノノジュ慶吏(3年)へ鋭いクロスボールを送った。通れば決定的なチャンスとなる状況だったが、ボールは少し長くゴール前を抜けた。
後半44分にも前橋育英は右からボールを展開し、白井のパスからMF柴野が左足ミドルシュートを狙った。決定的な場面だったが、ここはシュートが浮いてゴール枠を超えた。
両チームの意地と意地がぶつかり合い、決定的な場面はなくアデショナルタイムの5分も終了した。
勝負は10分ハーフの延長戦へと持ち込まれた。ここでも両者は運動量が落ちず、互いに体を張った攻防が続く。決め手のないまま時間だけが過ぎた。流通経大柏FW大岡航未(3年)が好機を迎えたがシュートは前橋育英GK藤原優希(3年)がキャッチ。延長後半がここで終了した。
決着の行方はPK戦に委ねられた。ここで前橋育英は守護神・藤原が立ちふさがった。栄冠は上州のタイガー軍団が射止めた。
流通経大柏はエースFW大前元紀を擁した2007年(平19)度大会以来の栄冠となった。