阪神藤川球児監督(44)が闘将イズム継承を誓った。中日、阪神、楽天を率いた星野仙一氏(享年70)の7度目の命日となった4日、大阪市内で自身のトークショー後に取材に応じ、かつての指揮官をしのんだ。星野氏のような人情味、情熱、優しさを胸に、令和のナインをまとめ上げる。
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藤川監督がナインと向き合う時、頭に浮かぶ人がいる。「どんな時に選手にどうアプローチするのかというのは、一番は星野さんが出てくるかな」。1月4日は、18年にこの世を去った星野氏の命日。情熱にあふれた姿を思い返した。
「頭の中に存在自体は常にある。本当に心優しかったですし、強かった」。藤川監督がプロ4年目の02年オフ、阪神を率いた星野氏は計24選手が退団する大幅な入れ替えを断行した。「ぎりぎり僕も(戦力構想に)入れてもらえた選手だったんですけど。残った選手はすごくパワフルに動き回れた。星野さんは『中途半端が多すぎるわ』とか普通に言っていたから」。厳しさと優しさを持ち合わせた闘将。「自分で信じた人間には、僕も『おい、球児』とか言ってもらって、人情味がありました」。同じタテジマの指揮官になった今、目指す理想の1つだ。
星野氏の少年時代が書かれた本も、何度も読んだという。「ガキ大将だったけど、弱い子には優しかったとか、自分も投手なので、だから感じが似ているなと」。強いリーダーシップと胸に秘める温かみ。選手のまとめ方は、肌で感じ学んだ財産だ。「若手や中堅に対してメッセージが強いなというのは、星野さんの教えだなと思ってもらったら。これから助けてもらえる場面がどんどん出てくると思う」。
星野氏、野村克也氏、岡田彰布氏(現オーナー付顧問)と3人の名将を知る藤川監督。「3名の恩師の方たちは自分にとっては大きな存在。本当にいい指導者に恵まれました」。それぞれのイズムを継承し、新たな監督像を作る。【磯綾乃】