<大学生編>
ドラフト候補紹介企画の第2弾は大学生編。創価大の立石正広内野手(3年=高川学園)は、世代屈指の打球速度を誇る右の強打者。近大の勝田成内野手(3年=関大北陽)は小柄ながらセンス抜群で、侍ジャパン井端弘和監督(49)の目に留まった好素材だ。
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創価大・立石は「誰も届かないような存在に」と圧倒宣言だ。
激動の1年だった。昨年6月、3年生ながら招集された大学日本代表の平塚合宿では、打球速度で1学年上のロッテ1位青学大・西川史礁外野手(21)ら強打者たちに比肩。初めて大学日本代表に選ばれた。11月の明治神宮大会では、2本塁打含む10安打で最多安打記録を更新。逆方向と左翼席中段へ強い打球を放り込み、観客を大いに沸かせた。ドラフト1位候補としてプロのスカウトから注目を集めるが「自分を見に来てくれているのかわからないですよ」と謙虚だ。
山口県防府市生まれ。美しい自然に囲まれた瀬戸内海に面する温暖な地域で育った。「オラオラした人はあんまりいないかもしれないです。オラオラしてると逆に目立って変な感じです」。立石を除く家族全員がバレーボール経験者のアスリート一家で伸び伸びと育った。
父和広さんは強豪の宇部商(山口)出身で、母郁代さんはバルセロナ五輪に出場。長女沙樹はリガーレ仙台、次女優華はクインシーズ刈谷でプレーする。幼少期から一家総出でスポーツに打ち込み「夜まで遊んだりとかもなく。良い意味で自分が変な方向に行かなかったんじゃないかなって」。恵まれた環境に感謝する。
中高6年間、母は朝4時から弁当をつくり、父は駅まで毎日送迎してくれた。「心臓に悪い試合もあると思うし、きょうだいで親孝行じゃないですけど。ずっと楽しませてあげられるように」。互いに高め合いながら、勝負の1年で大きな恩返しをしたいと願う。
目指すはドラフト1位。「プロで活躍することを考えたら同世代に負けているようじゃダメ。まずはチームで飛び抜ける存在に」と意気込む。【佐瀬百合子】