湯浅よ、はい上がれ! 阪神藤川球児監督(44)が「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」から復活を目指す湯浅京己投手(25)へ、愛あるエールを送った。阪神の先輩という立場からすれば、1人のかわいい後輩。「僕もタイガースの人間ですから、それは心に思うところはありますけど」。しかし今は、チームを率いる監督という立場。心を鬼にして話した。
「監督としての立場であれば、それはもう平等に見るしかない。就任の時に顔とか名前とか背番号とか関係ないと言いましたけど、戦うというのはそういうものなので」
湯浅は22年に59試合登板とブレーク。23年は開幕前にWBCで世界一を経験し、守護神を託されるも相次ぐケガに苦しんだ。そして今季は4年ぶりに1軍登板0。歩んできた道のりも、実績も知るが、特別視することはできない。「秋季キャンプは行きましたけど、湯浅という投手は見てないので。ただ彼の心意気とか、やる気というのは同じプレーヤーとして、その成長、頑張りは見たい。それはでも全選手同じだから」。あくまでもフラットな目線で見守るのが指揮官の役目だ。
一方で、温かいまなざしも忘れない。「でも、元気は与えてくれるでしょうけどね。彼の持ってるパワーですね、それも、見守るしかないね」。国指定の難病からの復活という険しい道。それでも湯浅なら、またはい上がると信じている。【磯綾乃】