阪神桐敷拓馬投手(25)が28年ロサンゼルス五輪出場に意欲を見せた。大阪市内で関西運動記者クラブが24年に活躍した団体、選手をたたえる「第68回関西スポーツ賞」の表彰式に出席。最優秀中継ぎのタイトル獲得をたたえられ、「特別賞」を受賞した。関西ゆかりのパリ五輪のメダリストらと交流し、侍ジャパン入りへの決意を新たにした。今季限りで退任した岡田彰布前監督(67)が「功労賞」、今年100周年の阪神甲子園球場は「特別・功労賞」を受賞した。
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五輪選手に囲まれ、桐敷は決意を新たにした。飛び込みでパリ五輪銀の玉井陸斗(18)や、空手で東京五輪銀の清水希容(31)らトップ選手と並んだ壇上。今季の最優秀中継ぎ賞を評価され、関西スポーツ賞の「特別賞」を受賞した。式典後はにこやかに談笑。「テレビで見ている人たちがいっぱい」。オーラを感じつつ、自身も4年後に同じ五輪のひのき舞台に立つ目標を立てた。
「4年に1度、スポーツをやっている人は誰しもが目指す場所。自分も頑張っていきたいなと思います」
28年のロサンゼルス五輪では、野球が競技として復活する。新潟医療福祉大時代の21年、東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパンに憧れた。「やっぱりオリンピックってすごいな、いいなという目で見ていたので。そこに今度自分が立てる可能性があるので、もちろん目指していきたいです。そこまで頑張っていきたい」。この日、関西ゆかりの五輪アスリートたちと交流したことで、その思いは一層強まった。
4年後は29歳シーズン。より脂の乗った年齢となる。今季両リーグ最多の70試合登板でタイトルも獲得したが、来季以降も実績を重ねて、侍ジャパン入りにつなげる意気込みだ。
「続けて1年間活躍するのはなかなか難しい。そんなにやられている方も少ないので。しっかり1年間1軍でいる戦力になるというところが一番の目標です」
まずは来季もフル回転。異種競技のメダリストから受けた刺激をパワーに変える。【波部俊之介】
○…今年8月1日に100周年を迎えた阪神甲子園球場が関西スポーツ賞の「特別・功労賞」を受賞した。向井格郎(かくろう)球場長が表彰式に出席。戦争、地震、コロナ禍など、さまざまな困難を乗り越えた歴史があり「100年間の重み、先人が築いてきたブランドのおかげ」と感慨深げにかみしめた。「次の世代にもきっちり引き継いで、野球の聖地という名にふさわしい舞台にしていきたい」と力を込めた。