来季のJ3初昇格が決まった高知ユナイテッドSCは22日、吉本岳史監督（46）の今季限りでの退任と、来季監督に元日本代表DFの秋田豊氏（54）が就任することを発表した。
高知は日付が22日に変わった深夜、監督の交代を公式サイトに掲載した。まずは就任3年目で、悲願のJ3に導いた吉本監督の退任を発表。関係者によると、アルビレックス新潟からコーチ就任の要請が届き、来季はJ1の指導者に初挑戦するという。
さらに新監督に秋田氏の就任も同時発表。いわてグルージャ盛岡（岩手、当時J2）時代の22年以来、3年ぶりの監督復帰になる。
高知は日本フットボールリーグ（JFL）5年目の今季、過去最高の2位に躍進し、J3のYS横浜との入れ替え戦を制し、初のJ3昇格を決めた。四国で唯一Jクラブのなかった高知県の悲願が達成された。
昇格決定の際、吉本監督は「この（サポーターの）気持ちをしっかり受け止めて、来季に臨みたい」と決意表明していたが、この日の退任コメントでは「ご納得いただけない方もいると思っています。それでも、いつか私の選択が、この大切な地元高知に何かを返すことができると信じて、この決断に至りました」と、複雑な思いを明かしている。
新監督になる秋田氏は、名古屋市生まれ。現役時代は98、02年ワールドカップ（W杯）に連続出場したセンターバックで、鹿島アントラーズ時代は9つのタイトル獲得に貢献。
監督としても京都サンガ、FC町田ゼルビア、岩手の3クラブを率い、J1、J2、J3、JFLの4カテゴリーを経験している。
岩手時代の22年10月にはオーナー兼社長に就き、クラブ経営にも携わった。今季はJ3最下位でJFL降格が決まり、11月に責任を取る形でクラブを退団したばかりだった。
◆秋田豊（あきた・ゆたか）1970年（昭45）8月6日、名古屋市生まれ。愛知高、愛知学院大を経て93年鹿島入団。04年名古屋移籍、07年の京都で現役引退。J1通算391試合出場23得点。98、02年W杯日本代表。国際Aマッチ通算44試合4得点。監督として京都（J1）、町田（J2、JFL）、岩手（J3、J2）を指揮。180センチ、78キロ。
