相棒よ、また会おう! ソフトバンク有原航平投手(32)が19日、巨人へのFA移籍が決まった同学年の甲斐拓也捕手(32)へ惜別の言葉を送った。今季は計26試合でバッテリーを組み、リーグトップの14勝、防御率2・36をマーク。4年ぶりのリーグ優勝に貢献し、パ最優秀バッテリー賞にも選出された。来季はセ、パと戦う舞台が別々となり、日本シリーズでの真剣勝負を心待ちにした。
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ともに戦ったのはわずか2年。だが、有原にとって甲斐は特別とも言える存在だった。一目置く相棒のFA移籍。17日に巨人入りが決定し「寂しいですけど、彼が決めたこと。お互いに頑張っていけたら」。2人は92年生まれの同学年。寂しさを感じつつも、最後は盟友の決断を尊重した。
有原は23年にホークスへ移籍。在籍2年間、1軍の公式戦43試合でいずれも先発マスクをかぶったのは甲斐だった。「2年間でしたけど、一緒にプレーできて良かった。ゲームへの入り方、相手の研究もそうですし。僕自身一緒に組ませてもらって、すごく勉強になりました」と感銘を受けた。
今季は26試合でバッテリーを組んだ。リーグトップの14勝(7敗)を挙げ、防御率2・36をマーク。試合前、イニング間と綿密な打ち合わせは忘れない。2人で協力し合って1年間を戦い抜いた。チームの4年ぶりリーグ優勝に貢献。今年の春季キャンプでは「狙っていこう」とお互いに誓いを立てたパ最優秀バッテリー賞にも選ばれた。「すごく楽しい時間だった」と振り返った。名パートナーへの感謝は尽きない。
来季からはセ、パと別々のリーグで対戦相手となる。交流戦で「有原対甲斐」の対決が実現する可能性もあるが、日本シリーズでのマッチアップを熱望する。「もちろん、そこに行けるように。対戦機会もあると思うので、それを楽しみに。打たれないように頑張ります」。日本ハム在籍時の対戦成績は31打数4安打。打率1割2分9厘と封じ込んできた。
長年ホークスを支えた甲斐が抜け、来季の正捕手は未定。有原は「その都度、試合に向けて話し合っていけたら。それは拓也でも、そうではなくても一緒。僕は僕のピッチングをしていきたい」と決意をにじませた。【佐藤究】