サッカーの元国際審判員で、今季限りで勇退する西村雄一審判員(52)が19日、都内で記者会見を行い、約25年間の審判人生を振り返った。
最も印象に残っている試合に挙げたのは、2011年3月29日の東日本大震災のチャリティーマッチ。Jリーグ選抜と日本代表が対戦した。Jリーグ選抜のFWカズ(三浦知良)がゴールを決め、鎮魂のカズダンスを被災地に届けた。
西村氏は「1つ特別な試合があります。東日本大震災のとき、全てのサッカーがとまった。日本のサッカーとして再スタートを切るときにチャリティーマッチが開催されました。そのときにレフェリーを担当させてもらって私の中で忘れられない試合」と語った。
「日本人ですので、日本代表の真剣な試合は担当できないんですけど、あのときは真剣な代表選手たちのプレーを体感できた。三浦知良選手がゴールを決めているけどすべての人が喜ぶゴール。あのゴールだけは誰もが喜んだゴールだった。そんな瞬間は僕の人生の中であれだけ。あの瞬間をピッチ上で味わえたのは、忘れることができない」と振り返った。