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読売新聞の渡辺恒雄主筆が死去、98歳 巨人元オーナー、名実ともに球界のリーダーに


読売新聞グループ本社の渡辺恒雄代表取締役主筆が2023年10月19日未明、98歳で死去した。渡辺氏は長年にわたり読売新聞とプロ野球界で影響力を持ち続けた。東大卒業後に読売新聞に入社し、ワシントン支局長や論説委員長などを歴任、さらには読売新聞社代表取締役社長にも就任した。プロ野球読売巨人軍の実質的リーダーとしても知られ、逆指名枠やFA制度の導入に貢献したが、選手と経営陣の対立を招く発言をして批判を浴びたこともあった。特に2004年の球界再編騒動では、選手会と衝突しファンの反感を買った。晩年には球団の賭博問題にも関連し、責任を取って辞任したが、それでもグループの要職を務め続けた。

燦燦会であいさつをする読売新聞グループ本社渡辺恒雄代表取締役主筆(2023年3月撮影)

読売新聞の渡辺恒雄主筆(98)が19日未明、死去した。

渡辺氏は1926年(大15)5月30日生まれ、東京都出身。東大文学部哲学科を卒業後、50年に読売新聞社入社した。ワシントン支局長、政治部長、論説委員長などを務め、87年6月に副社長兼主筆、91年5月、読売新聞社代表取締役社長に就任した。

巨人軍の実質トップにもなり、92年秋には長嶋茂雄監督の再登板を決断。プロ球界にも大きな影響力を持ち、93年のドラフトから導入された逆指名枠の創設や、FA制度整備を進めた。96年12月には巨人オーナーに就任。名実ともに球界のリーダーになった。

02年6月、持ち株会社制移行に伴い、読売新聞グループ本社の初代社長・主筆に。04年1月には代表権のある会長に就任した。その年に起きた「球界再編騒動」では、10球団1リーグ制への移行を支持。プロ野球選手会と対立した。当時の古田選手会長がオーナー陣との直接会談を求めたことに「分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が。たかがといっても、立派な選手もいるけどね。オーナーと対等に話をするなんて協約上根拠は1つもないよ」と強弁。ファンの反発を買った。直後に、巨人がアマチュア選手に約200万円を渡していたことが発覚。オーナーを辞任するに至った。

05年には球団会長として巨人に復帰し、14年には最高顧問に就任。しかし、16年3月には巨人の現役選手が野球賭博に関与していた責任を取り、当時のオーナーや球団会長らとともに辞任した。ただ一貫して読売グループのトップの座にあり、巨人の監督人事や球界のさまざまな問題に関与し続けた。

今年は3月21日の燦燦会に車椅子で出席。「今年こそは優勝、日本一に向けて頑張っていただきたい」とあいさつした。

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