<データで見る2024ペナント・オリックス(パ5位・63勝77敗3分)>
プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る連載「データで見る24年」をスタートします。全13回で、プロ野球を球団別に12回、最終回は日本人大リーガーを記録から分析します。第3回はオリックス。
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ルーキー古田島成龍が開幕から無失点ピッチングを続けた。
プロ初登板は4月6日ロッテ戦で、8点リードの9回から登板し無安打に抑えた。そこから6月23日西武戦まで22試合連続無失点をマーク。新人の連続試合無失点は12年高木京(巨人)の29試合が最長で、22試合は3位タイ。デビューから22試合連続無失点は21年栗林(広島)22年宮森(楽天)に次いで3人目のタイ記録となった。
途中からはセットアッパーへ昇格。1年目は50試合で2勝1敗24ホールド、防御率0・79を記録した。シーズン50試合以上登板した投手の防御率を調べると、1位は11年浅尾(中日)の0・41。0点台は20人だけで、古田島が8位で10傑入り。新人で50試合以上登板は87人いるが、防御率0点台は0・86の21年栗林と古田島の2人しかいない。20勝以上挙げた42年林(朝日)や56年稲尾(西鉄)と単純な比較はできないものの、50試合以上登板した新人の中では古田島の防御率が1位だ。
4番打者を完璧に抑えた。4番に許した安打は8月4日ソト(ロッテ)と9月13日山川(ソフトバンク)の2本で、21打数2安打の被打率9分5厘。今季、パ・リーグで20セーブ以上または20ホールド以上を記録した14人の中で、対4番被打率が1割未満は古田島とマチャド(オリックス)の2人だけ。古田島は5番打者も17打数1安打の被打率5分9厘に抑え、3~5番のクリーンアップに対する被打率が1割2分1厘。こちらは14人の中でトップだった。また、対左打者の被打率が1割8分7厘で、右打者も1割9分3厘。左右関係なく、中軸も抑えるルーキーを、ベンチは安心して送り出せた。【伊藤友一】