3のぞろ目が、よく似合う男になる。ヤクルト西川遥輝外野手(32)が16日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季の1軍最低保証額の1600万円から倍増超でサインした。「来年、33歳になる。33個盗塁したい。33盗塁に向けて練習しています」。真剣なまなざしで言った。くしくも、来季年俸も3が並び、3300万円を勝ち取った。
3球団目。昨オフに楽天を戦力外。初のセ・リーグ挑戦で、昨季の35試合出場から大幅増の113試合出場。日本ハム時代に4度の盗塁王を獲得しており、今季の10盗塁で満足はしない。目標の33盗塁であれば、今季盗塁王の阪神近本の19個を大きく上回る。両リーグで盗塁王となれば、河野旭輝(56、57年阪急、62年中日で獲得)に次いで史上2人目となる。盗塁王という称号を「取れたらいいですね」と狙っていく。
道具一式は、3本ラインがシンボルのアディダス社。西川は偉業達成へ向けて、研究を始めている。特に陸上選手の走る技術に着目。走り方、考え方などの話を聞き、進化に余念はない。「休む時はもう引退する時」と走り込みをメインにトレーニングを続ける。「スーツが入んないんですよ。だからスーツを新しく作りました。スーツが縮んでんじゃないですか? ちょっと大変なんですよね」と笑ったが、肉体改造も始まっている。「代走なんかでと思ってないので」。背番号3のスピードスターが、セ界を駆け抜ける。【栗田尚樹】