阪神が来季の新外国人候補として「大谷を抑えた男」の獲得に乗り出していることが13日、分かった。球団幹部がフィリーズからFAとなっているニック・ネルソン投手(29)と交渉していることを明かした。
ネルソンは20年にヤンキースでメジャーデビュー。フィリーズ移籍後の22年は、主に中継ぎで47試合投げた実績もある。昨季1試合、今季は4試合の登板にとどまり、今オフにFAになった。メジャー通算74試合(先発4)で5勝4敗、1セーブ、防御率5・20。フォーシームの最速は158キロを誇り、球団は先発候補として検討している。
メジャー通算の奪三振数がイニング数を上回っているのが特長だ。奪三振能力は大谷相手にも発揮した。22年6月5日、中継ぎでエンゼルス大谷と対戦。初球の154キロをファウルさせると、2球目からは135~140キロの変化球を続け、5球目にチェンジアップで泳がせて空振りを奪った。その試合は2回1/3を無失点に抑え、逆転勝ちに大きく貢献した。
さらに注目すべきは不規則に動くナックルだ。今年8月に覚えたばかりといい、日本ではナックルの使い手は少ないだけに、大化けの可能性を秘める。基本は先発期待だが、リリーフもこなせるだけに、起用の幅は広がりそうだ。来季の阪神は、支配下登録の外国人5人を予定。ビーズリーとゲラの残留がすでに決まっており、ネルソンのほか中継ぎ投手1人、野手1人の新外国人と契約を目指している。元阪神の抑えで、今季は四国IL・高知でプレーしたラファエル・ドリス投手(36)にも注目している。
◆ニック・ネルソン 1995年12月5日生まれ、米フロリダ州出身。ガルフ・コースト州立大から16年ドラフト全体128位でヤンキースと契約。順調に昇格を続け、20年8月1日に中継ぎでメジャーデビューし、初勝利も挙げた。ヤ軍では田中将大と同僚。22年からフィリーズでプレー。今季は4試合登板。メジャー通算74試合、5勝4敗、防御率5・20。185センチ、92キロ。右投げ右打ち。