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【オリックス】九里亜蓮を獲得、広島から海外FA 石川柊太と交渉不発に備え九里の調査も進める


九里亜蓮投手(33)が広島から海外FA権を行使し、オリックスと3年契約を締結しました。契約は5.4億円プラス出来高払いで、背番号22が与えられました。九里投手は広島で通算71勝を記録し、21年には最多勝を獲得したタフな右腕です。オリックスの福良GMは、先発陣の層を厚くするための重要な補強と捉え、1年間のローテーションを守る力やゲーム作りの能力を評価しています。九里投手は「長くやりたい」との意向を示しながら、大阪への移籍を決断しました。オリックスは石川柊太投手の交渉も行っていましたが、彼のロッテ移籍が決定したため、九里投手の獲得を進めていました。岸田監督の下でチームのV奪回を狙うオリックスにとって、九里投手の加入は朗報です。

8月29日、中日対広島 1回裏、登板する広島先発の九里

オリックスは12日、広島から海外フリーエージェント(FA)権を行使した九里亜蓮投手(33)と選手契約を締結すると発表した。背番号は22。広島では21年に最多勝を挙げるなど、通算71勝のタフネス右腕だ。3年契約、5・4億円プラス出来高払い(条件は推定)を提示して合意した。

福良GMは「先発の層を厚くする意味で。1年間ローテを守るだけの力はある。イニングも食ってくれるし、ゲームメーク能力も高い。体の強さ、タフさもある」と獲得の狙いを語った。ソフトバンクから国内FA宣言していた石川柊太投手(32)とも交渉していたが、石川のロッテ移籍が決定。不発の場合に備え、九里の調査も進めていた。

同GMによると、九里本人も交渉の過程で「長くやりたい」ということや「1年しっかりローテで回りたい」と語っていたという。右腕は家族とも相談して、大阪行きを決断したようだ。FA宣言の際には「最初で最後だと思う。もっと野球をうまくなりたい」と話していた。広島からオリックスへのFA移籍は昨オフの西川龍馬に続く2年連続となる。

就任1年目でV奪回を狙う岸田監督にとって朗報だ。来季の先発陣はエース宮城が開幕投手に決定し、曽谷やエスピノーザがローテ濃厚。ただ昨季新人王の山下は腰痛、東は右肘手術明けと不安を残す。中継ぎから転向の古田島も未知数の部分が大きい。8年連続で110イニング以上を投げている九里の存在は厚みを加える。的確な補強となりそうだ。【大池和幸】

○…九里はFA獲得の際に広島に対して人的や金銭の補償が必要な年俸Bランクとみられる。オリックス福良GMはその対応について「これからの作業になる。現場と話しながらになりますね」と話した。昨年は西川の移籍により、19歳だった右腕の日高が人的補償で広島に加わった。

◆九里亜蓮(くり・あれん)1991年(平3)9月1日生まれ、鳥取県出身。米国人の父は、3Aでプレー経験のある元選手。岡山理大付を経て、亜大4年の神宮大会で優勝。13年ドラフト2位で広島入り。21年に13勝を挙げ最多勝。23年にはセ・リーグ最多の174イニング1/3を投げるなど、恵まれた体力を誇る。188センチ、97キロ。右投げ右打ち。

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