“鷹のレッドスター”になる! ソフトバンク新入団選手の発表会見が9日、福岡市内で行われた。大学54盗塁の快足自慢、ドラフト2位の神奈川大・庄子雄大内野手(22)は「盗塁王」を目標に掲げ、1年目からの大活躍を誓った。
盗塁王5度を誇る元阪神赤星憲広氏(48)の本を読んだ高校時代にヒントをつかみ、才能が爆発的に開花。同僚になる盗塁王3度の周東右京外野手(28)からも極意を学び、完全無欠の足のスペシャリストを目指す。
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走り屋・庄子の転機は、ある本との出会いだった。
「阪神で活躍された赤星さんの本を読んで。盗塁を決めるには『準備が8割』と書いてあった」
横浜高時代のこと。通算381盗塁を積み上げた元阪神赤星憲広氏の1冊を読んだ。レッドスターと呼ばれた極意は目からウロコの連続だった。「高校まではただ全力で走っていた」。自身も快足自慢だったが、奥の深さは足元にも及ばない。考えはガラリと変わった。以来、盗塁を成功させる「準備」に時間を費やす日々になった。項目はリードの幅、相手投手の癖など多岐にわたる。5度の盗塁王を獲得した虎のレジェンドに学び、長所を伸ばし続けた。「野球選手として生きる道、自分を生かすとしたら足の部分なので」。大学球界屈指の快足で50メートル走は5秒7。天性の脚力プラスに赤星氏の考えをミックスさせ、神奈川大学リーグでは54盗塁をマークした。
身近に偉大な先輩もいる。今季を含め、盗塁王を3度獲得している周東とチームメートになる。「すべて吸収したい」と目を輝かせ「一番は盗塁の心構えだったりを聞きたい」と貪欲に質問していくつもりだ。赤星イズムに周東イズムも加えれば、もう完全無欠だ。
球団では1リーグ時代の1946年(昭21)、前身のグレートリンク川西俊雄以来、78年ぶりとなる“ルーキー盗塁王”はひとつの目標になる。新入団選手の発表記者会見。右手にマイク、左手には「盗塁王」としたためた色紙を手に、明確なビジョンを描いた。
「一番は足だと思う。目標である『盗塁王』を取るために、さらに成長したいと思います。まずは1年間しっかり1軍に残り続けて、1軍の戦力になれるように頑張っていきたいです」
即戦力期待でポジションは遊撃。今宮が絶対的レギュラーに君臨する。「ショートで勝負する以上は、今宮さんに勝たないと試合に出られない。しっかり勝負していきたいなと思います」。走攻守で“鷹のレッドスター”が存在感を示す。【佐藤究】
◆庄子雄大(しょうじ・ゆうだい)2002年(平14)10月2日生まれ、神奈川県出身。横浜高では2年春に三塁手で甲子園出場も初戦で明豊に敗れ、自身も無安打。3年時はコロナ禍で全国大会が開催されなかった。神奈川大では1年秋から遊撃を守り、通算54盗塁、116安打。憧れの選手はソフトバンク近藤健介。性格は「負けず嫌い」。好きな言葉は「目標がその日その日を支配する」。178センチ、78キロ。右投げ左打ち。