まだまだ、若手には負けない。楽天鈴木大地内野手(35)が8日、仙台市内の球団事務所で契約交渉に臨み、2000万円増の1億6000万円プラス出来高払いで来季年俸を更改した。13年目の今季は123試合に出場し、打率2割6分6厘、4本塁打、41打点。2年ぶりに規定打席に到達し、6月には通算1500安打も達成した。岡島、島内、阿部と並び野手最年長のベテランは、ドラフト1位の明大・宗山塁内野手(21)のサポートも誓った。(金額は推定)
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鈴木大が逸材ショートを熱烈歓迎した。ドラフト1位の宗山は、前日7日の新入団選手発表会見で、鈴木大と仲良くなりたいという発言をしていた。それを報道陣から伝え聞くと「絶対言ってないですよね(笑い)」と驚きつつも「いやいや、僕がしゃべってみたい」と続けた。
ドラフト候補の情報に特別詳しいわけではない。それでも「(侍ジャパンの)トップチームも呼ばれてるから僕でさえも知ってて。そんな子がね、入ってきてくれて。同じ内野でポジションがかぶるんで、複雑な気持ちもあると思われがちかもしれないですけど、何回も経験してきてるんで」と新たな競争を喜んだ。
プロの先輩としてサポートも約束した。「彼のプレーを早く見たいというのもありますし。彼が僕らのケツをたたいてくれると、僕らもレベルアップできる。技術のサポートはなかなかできないですけど、彼が一生懸命、野球に打ち込める環境は作ってあげたい。僕は(宗山と同じ)明治(大学出身)じゃないですけど」と笑った。
「勝負の年」と位置づけた13年目の今季は、123試合に出場。初優勝した交流戦では主に4番として活躍した。昨季は1年目に続いて少ない101試合の出場にとどまっただけに「このまま終わりたくないという気持ちもあったし、なんとかという思いで1年間駆け抜けた」と振り返った。
来季は数字的な目標は設定せず、1日1日を大切に過ごす。「数字を追い求めちゃうと、すごく1年間、計算しようとか思ってしまう」。その上で「大げさじゃなくて、明日があるか分からないんで、僕らってもう。だから数字じゃなくて、その1日で一生懸命、自分をアピールしたい。最後に数字は答え合わせすればいい」。頼れるベテランが若手に負けじと、来季も存在感を発揮する。【山田愛斗】