巨人大勢投手(25)が8日、能登半島地震の被災地である石川・輪島中学校を訪問した。雪化粧の、のと里山空港からバスの景色を眺めた。被災地のリアルを垣間見た。傾いたままの信号機、倒壊した建物、崩れた山肌、仮設住宅、隆起したテニスコート。大勢は「実際に見て、なんか恐怖心というか…本当に今、こうやって何不自由なく野球をできていること、生活をしているのは当たり前じゃないんだと感じました」と身が引き締まった。
集まった子どもら約250人と交流した。リレー、玉入れなどのゲームで汗を流し、昼飯のカレーを一緒に食べた。「僕はボランティアでパワーを送る側だというつもりでは来たんですけど、逆に純粋にそういう子供のパワーを感じた」。励ますつもりが、むしろ活力をもらった。
まず野球選手として結果を出すこと。その上で被災地復興はもちろん、社会貢献活動に目を向ける。血管に炎症が起こる川崎病を克服した右腕。「川崎病で生まれ、苦労した。今も苦労している人がいる。そういうのも知ってもらうきっかけになることができれば」と思いを巡らせた。肌で感じた思いをマウンドでのエネルギーにする。【上田悠太】