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【阪神】FA残留の大山悠輔が心を動かされた藤川監督の即答「自分の中であの一言は大きかった」


阪神タイガースの大山悠輔内野手がFA権を行使したものの、最終的にチームに残留することを決断しました。この決断には、藤川球児監督の影響が大きく、大山選手が悩んでいた時期に監督がテレビ番組で「来年の4番は大山」と即答したことが心に響いたと語っています。監督の配慮に感謝し、大山選手は監督の力になりたいという強い気持ちで、新しい体制の下、チームの優勝を目指す意欲を示しています。大山選手の背番号3は、阪神タイガースの新たな支柱としての役割を果たそうとしています。

23日、阪神ファン感謝デーのオープニングで入場する藤川監督(手前)を見つめる大山

<佐井注目>

阪神大山悠輔内野手(29)のFA残留発表から一夜明け、本人と雑談する機会に恵まれた。苦悩の熟考に終止符を打った直後だけに、声色もどこか穏やかに聞こえる。チームメートや裏方スタッフから届けられた声に虎党への思い…。あらためて数々の「決め手」に感謝する中、4番は自ら切り出した。

「自分の中ではやっぱり、球児さんの一言は大きかったんですよね」

もう3週間以上前の話だ。11月上旬のある日。まだ国内FA権を行使するか否かで悩んでいた時期、大山は兵庫県内の自宅で阪神を特集する番組に目を通していた。高知・安芸秋季キャンプに没頭中の藤川球児監督も現地から生出演。新指揮官の言葉1つ1つに集中していると、「来季の野手構想」に話題が移った。

「来年の4番はどうですか?」「森下選手はどうですか?」。そんなニュアンスの質問が飛んだ瞬間、指揮官は即答した。

「大山がいますから」

遠く離れた高知から届けられた熱い思いに、主砲は少なからず心を動かされたのだという。

「素直にうれしかったです。あの時点ですでにFA宣言するかもしれないという立場だったのに、来季の構想の中にまだ自分を入れてくれているんだなって。あの言葉は今も心に残っています」

結局、大山はFA権を行使した。他球団の評価を聞きたい。もう少し考える時間が欲しい。そんな一野球人としての感情を、藤川監督は尊重してくれた。公の場では「今はそっと見守ってあげるのが一番いい」というスタンスを貫いてくれた指揮官への感謝は、残留決断の瞬間まで消えることはなかった。

「なかなか監督という立場でああいうコメントをするのは難しいと思います。それでも球児さんは僕に考える時間をしっかり作ってくれた。今は本当に監督の力になりたいと気持ちが強くあります」

新体制でV奪回に突き進む25年タイガース。支柱となる背番号3は早くも覚悟に満ちあふれている。【野球デスク=佐井陽介】

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