外野から“にらみ”を利かせる。日本ハム万波中正外野手(24)が28日、都内のホテルで行われた「三井ゴールデン・グラブ賞」表彰式に2年連続で出席した。今季の補殺数11は12球団トップだが、より警戒される来季は、補殺数よりも、投げずに威圧感で走者をストップさせることをイメージ。3年連続受賞、9年ぶりリーグ優勝、日本一へ、まだ果たしたことのない全143試合出場を目標に掲げた。
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来季の万波は“見えない技”で輝きを放つ。2年連続2度目の表彰式。ふたり隣には、全身からゴールドの輝きを放つ楽天辰己がいた。「いやあ、すげえなと思って。最初もうちょっと金が薄かったんですけど。多分化粧直しで厚塗りになって…マジで光ってました」。自身より9票多い外野手トップの220票を集め、会場の注目も独り占めした金色男に、ちょっとだけ魅せられた。
だが、輝きは表に見せなくても感じさせることができる。今季は補殺11と12球団トップの数字を記録したが、来季は数字にこだわらない。「(三塁)ベースを回られる頻度が、どんどん減ってきた。そうなると、ちょっと補殺だけでは自分の守備は表現できない。要はホームに生還した回数を今年より防げたらいい」。より警戒され、外野にいるだけで走者が恐れる状況はできた。次は「アイビーム」で、ビビッと走者を刺激し、進塁を止める。
その効果を上げるには、試合に出続けることが大前提だ。今季は新庄監督から真っ先にレギュラーを確約されるも、結果的には出場136試合止まり。「当たり前に全試合出るつもりでオフシーズンから準備してましたけど、なかなかできなかった。そこが一番悔しい。全試合に出る。とにかく1番多く試合に出て一番多く打席に立つ。そういうことを目標に1年間頑張りたい」と強い口調で話した。
常にスタメンで出るためには、打撃の波をつくらないことが求められる。このオフは「不安定なところで安定するとか、突発的に起こることに対してうまく反応できるような体を作っていく」。規格外のパワーは健在。そこに、バランスを崩さない対応力を加え、絶対的なレギュラーになる。【永野高輔】