「台湾の金孫」が覇権奪回の使者となる。日本ハムは20日、優先交渉権を獲得していた前台湾・統一の古林睿煬(グーリン・ルェヤン)投手(24)と契約合意に達したと発表した。新庄剛志監督(52)も一目ぼれした台湾プロ野球MVP右腕は、大の“おばあちゃん子”で来季の開幕ローテ候補。春先から獲得調査を続けて射止めた伸びしろ十分の逸材が、9年ぶりの日本一へ向けた補強第1弾となった。
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日本ハムが今オフの目玉補強に成功した。最速157キロ右腕の古林睿煬。今季の台湾MVP右腕は「ファイターズは良い選手がたくさん集まっているし、私が好きな選手もいます。とにかく1日も早く皆さんに会って野球の話がしたい」と、心待ちにした。
期待大の新戦力に、新庄監督も久しぶりにコメントを発表した。「今年から本格的にルェヤンを意識し始めたけど、とにかく、一目ぼれ! 優しい顔をしているのに、度胸満点だものね」。即戦力の先発投手を獲得できた喜びとともに「ルェヤンのおばあちゃん、我々がお孫さんのことをしっかり守っていきます!」という言葉で締めくくった。
「火球男」の異名を持つ剛腕だが、台湾での愛称はもうひとつある。祖母にとって黄金の孫という意味の「金孫」。おばあちゃん子で今でも祖母とは大の仲良し。現地メディアでも多く取り上げられ、今では台湾を代表する“最高の孫”となった。
日本でプレーすることに寂しさを感じているはずの「ルェヤンのおばあちゃん」に、気持ちよく孫を送り出してもらうことも、新天地での大活躍に欠かせないキーポイント。だからこそ、新庄監督は祖母にも粋なメッセージを送った。
1年前のアジアプロ野球チャンピオンシップで、侍ジャパンを相手に6回1死まで完全投球をした古林の実力は折り紙付き。今季は台湾で視察を重ねた栗山CBOも「昨年と比べても急成長を遂げた印象。ストレートの魅力、変化球の精度はここからさらに洗練され、今後の伸びしろを強く感じています」と期待する。
26日に台湾で入団会見に臨む予定の古林は「これからさらにレベルアップして、チームに貢献できるように頑張っていきます」。日本ハムでも祖母を喜ばせる大活躍をして、覇権奪回に貢献する。【木下大輔】