史上最年少MVPより世界一! 侍ジャパンの4番森下翔太外野手(24)が19日、チームファーストでの大会連覇を誓った。21日に始まる「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のスーパーラウンドに向け、台湾から日本に帰国。1次ラウンドでは打率5割7分1厘などチーム5冠の成績で全勝に貢献した。優勝すれば世界最年少のMVP候補に挙がりそうだが、「日本が勝たないと意味がない」ときっぱり。侍の主砲は勝利最優先で日本を頂に導く。
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グラウンドでの大暴れとは一転、森下は冷静だった。大会MVPを意識するかを問われ「いや、しないっすね」と即答。「まずは日本が勝たないと意味がないと思うので」と続けた。自分の成績より勝利が最優先。侍魂を前面に、背番号1は世界一だけを見据えた。
阪神から侍ジャパンに飛び出し、圧倒的な成績を残している。1次ラウンドでは全5試合に4番で出場。打率5割7分1厘、1本塁打、6打点、8安打、10得点はチーム5冠だ。日本代表の5戦全勝突破&国際大会24連勝に大貢献。世界一を達成すれば、最優秀選手に選ばれる可能性もある。
前回大会の19年は鈴木誠也が獲得し、WBC、プレミア12の主要国際2大会で06年WBC松坂大輔、17年WBCストローマン(米国)の26歳を抜き、最年少の25歳での受賞を果たした。森下は今年8月に誕生日を迎えた24歳。開催年の満年齢で「世界記録」を塗り替えるチャンスがある。それでも侍ジャパンの主砲は足元を見つめた。「勝つことだけを意識してやりたいなと思います」。勲章は世界一の先にある。
18日のドミニカ共和国戦では、猫背気味になっていたフォームを正した。「ちょっと姿勢を伸ばしてアプローチしました。打球は上がらなかったですけど、芯に当たったり、内容的には悪くない」と3安打&全4打席出塁につなげた。チーム一の好成績でもまだ、改善の余地があるという。「60~65%は試合で出せる。もっと引き上げるには、もうちょっと何かをつかむものがないといけないかなと思います」。チームを勝ちに導きながら、100%を目指して試行錯誤。伸びしろたっぷりの24歳は、すっかりチームの顔になった。
台湾生活を終え、この日は台湾桃園空港発の航空機で5日ぶりに帰国した。スーパーラウンドと決勝の舞台は東京ドーム。まずはあす21日、A組2位の難敵米国と対戦する。「結構ホームな環境でできると思う。そこをしっかり味方につける。アウェーよりも人の目が日本に集中して緊張感もあると思いますけど、そこも自分のプラスになれば」。バットが頼もしければ、言葉も頼もしい。侍の世界一は「MORISHITA」が熱くする。【只松憲】