<阪神紅白戦>◇16日◇高知・安芸
えっ!? 来季1軍レギュラー? 阪神井坪陽生外野手(19)が高知・安芸キャンプ最後の紅白戦でまたアピール成功だ。白組の6番中堅で出場し、同点の最終回2死二、三塁に中前への決勝打。藤川球児監督(44)は「可能性はある」とレギュラー奪取の可能性に言及した。近本、森下らがそろうハイレベルな1軍外野陣に19歳が割って入る。チームは今月1日から始まった秋季キャンプを17日に打ち上げる。若虎にとって実りの秋になった。
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曇天の安芸に虎党の明るい声が響いた。歓声を浴びたのは、またも井坪だった。同点のまま最終回の5回2死二、三塁。フルカウントから佐藤蓮の124キロスライダーをミート。「追い込まれてからだったので。対応できて良かったです」。ライナーで中前に運ぶクリーンヒットで決勝点をもたらした。
前回9日の紅白戦でも「3番中堅」で出場し、左翼線への適時二塁打でアピール。藤川政権の初得点をたたき出しており、2試合連続の打点となった。19歳のホープが、今キャンプ最後の実戦でまたも存在感を示した。
藤川監督も「走塁、それから守備、打撃でも非凡なものがありますからね」とポテンシャルを評価。同学年には今季40試合に出場した巨人浅野がいるが「見劣りすることがないと思ってますから」と比較した。「他の選手との兼ね合いはありますけれど、ポジションが3つある外野ですからね。そういう意味では可能性はあるかもしれないですね」と1軍の外野陣に割って入る可能性にも言及した。
近本や森下を中心にハイレベルな虎の外野陣。前川や井上、野口ら期待の若手もそろっている。井坪は地に足を着け、まずは自分のやるべきことをこなしていく意気込みだ。
「与えられた仕事があるなら、それしっかり少しずつこなしていければいいかなと思っています」
今季は2軍105試合で打率2割7分5厘、2本塁打、28打点。安定感を見せながらも、1軍出場はお預けのままとなっていた。来季の開幕1軍を狙うか問われると「そうですね」と、当然意欲を示した。1軍デビューに向け、新監督へのアピールに燃えた今秋キャンプ。走攻守の実力を認められ「アピールに関してはできたかなと思います」と胸を張った。日々高まる期待感。来季、現実のものに変えてみせる。【波部俊之介】