オリックス吉田輝星投手(23)が勝ちパターン定着へ、カットボールを解禁する。14日、大阪・舞洲で調整。今季50試合に投げ、来季も中継ぎ起用を首脳陣に告げられた右腕は、左打者対策として「カットボールは持ってるけど投げてなかった。得意球になる可能性があるので、チャレンジしてみたい。左打者に差し込んだら(得意の)チェンジアップにつながる」と、日本ハム時代の持ち球を復活させる考えを打ち明けた。
中嶋前監督の“置き土産”でもある。「投げ方的には100%投げられる球。辞めると知らなかったけど、中嶋さんと最後に来年の話をした時も『カットボールはお前は絶対に投げられるから』と言われた」と太鼓判を押された。同じ秋田出身で、トレードによって可能性を広げてくれた恩人でもある。
今季は右打者の内角を突く新球シュートが効果的だった。描くカットボールの球筋は「シュートの反対側くらいで投げられれば。ホップ成分を殺さずに」とのイメージを描く。新天地1年目はすべて救援で4勝0敗、14ホールド、防御率3・32とブルペンを支えた。さらに成長を追い求める。
9月末に痛めた右肘は疲労骨折だったと明かし、1週間前にキャッチボールを再開。現在は40メートルに距離を伸ばしている。12月中には投球練習も開始予定。「来年は1イニングしっかり投げきれるように。頭から地位を確立して勝ちパターンで投げられるように。目標もそれ1個しかない」と意欲的だ。【大池和幸】