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【阪神】大山悠輔が国内FA権行使を決断「他球団の評価を聞けるチャンスなので」巨人と争奪戦へ


阪神タイガースの大山悠輔選手(29)が国内フリーエージェント(FA)権を行使することを決断しました。シーズン終了後から熟考を続けた結果、他球団の評価を聞きたいという一野球人としての欲求が勝り、FA権を行使することを選びました。巨人はすでに大山の獲得調査を進めており、阪神との争奪戦が予想されています。大山は阪神への愛着が強く、残留の選択肢も考えてはいるものの、FA宣言をし他球団との交渉に臨む姿勢です。彼は2023年シーズンにおいてリーグ優勝に貢献し、打線の中心として高い評価を得ています。阪神は彼を慰留するための努力を続けるとしています。

阪神対巨人 練習中、阪神大山悠輔(左)は巨人岡本和真と話す(2019年4月19日撮影)

阪神大山悠輔内野手(29)が今年4月に初取得した国内フリーエージェント(FA)権の行使を決断したことが12日、分かった。

シーズン終了直後から熟考を続けてきたが、最後は他球団の評価も聞いてみたいという一野球人としての欲求が勝った。すでに巨人が獲得調査を進めており、公示されれば獲得に乗り出すのは決定的な情勢。懸命に慰留を続ける阪神と巨人による争奪戦が確実となった。

  ◇  ◇  ◇

大山が決断した。CSファーストステージでDeNAに敗れた10月13日から30日。熟考に熟考を重ねた結果、今年4月に初取得した国内FA権を行使する決意を固めた。FA宣言期間の最終日となる13日に発表する。虎の4番を巡る争奪戦がいよいよ幕を開ける。

1カ月間、悩み抜いた。臆測も含めた情報が周囲で飛び交う中、自身の心と静かに向き合い続けた。8年間過ごした阪神への愛着はもちろん強い。苦楽をともにした仲間たちとの絆も深い。FA権を行使せずに残留する選択肢もギリギリまで残した。ただ、最後は1人のアスリートとしての純粋な欲求に従った。

大山は本紙の取材に「他球団の評価を聞ける1つのチャンスだと思うので。もし話をいただければ、他球団の話も聞かせてもらった上でしっかり考えたいです」と答えた。もちろん、移籍ありきのFA宣言ではない。今後は残留か他球団移籍か、フラットな状態で熟考に入る。

23年は「不動の4番」として虎をリーグ優勝、日本一に導いた。今季は下半身のコンディション不良が影響した不振にも苦しみ、6月には2軍再調整も余儀なくされた。それでも復調後は4番に返り咲き、チームトップの得点圏打率3割5分4厘で打線を先導した。昨季ゴールデングラブ賞を獲得した一塁守備にも定評がある。常に全力疾走を怠らない姿勢も含め、右の長距離砲として評価は高い。

推定年俸2億8000万円はチーム上位3人に入るAランク。仮に獲得すれば金銭補償か人的補償+金銭補償が必要となるが、すでにセ・リーグ連覇へ打力アップをもくろむ巨人が獲得調査を進めている。14日にFA宣言者が公示されれば、交渉解禁日となる15日を待って獲得交渉に乗り出すとみられる。一方の阪神も藤川新監督の就任直後に主砲を他ならぬ宿敵に流出させるわけにはいかない。球団は宣言残留を認め、引き続き全力で慰留を続ける。

今後は5年前後の大型契約が最低ラインの争奪戦も予想されるが、大山自身は金銭だけに重きを置くタイプではない。残留か、それとも移籍か。「伝統の一戦」と熟考の行く末に、日本全国から注目が集まる。

◆大山悠輔(おおやま・ゆうすけ)1994年(平6)12月19日生まれ、茨城県出身。つくば秀英-白鴎大を経て16年ドラフト1位で阪神入団。1年目の17年から先発4番を務め、19、23年には全試合出場。23年は最高出塁率(4割3厘)で初タイトルを獲得し、一塁部門でベストナイン、ゴールデングラブ賞。球団在籍137本塁打は13位。181センチ、94キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は2億8000万円。

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