全米野球記者協会(BBWAA)が11日(日本時間12日)、今季の各賞最終候補を発表し、ドジャース大谷翔平投手(30)がナ・リーグMVPの最終候補3人の1人に入った。最終候補入りは4年連続で、選出されれば2年連続3度目。DHに専念する選手がMVPに選ばれたことは過去に1度もなく、両リーグでの受賞は史上2人目で、2年連続なら史上初になる。これまでMLBに多くの歴史を刻んできた大谷が、再び新たな歴史を作る可能性が高まっている。
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前人未到の「50本塁打、50盗塁」を記録し、本塁打と打点の2冠に輝き、ドジャースを世界一へと導いた大谷の歴史的快進撃が、オフシーズンに入ってもまだ続く。昨年9月に右肘手術を受け今季はDH専念だったため、開幕当初は、過去に1度も例のないDHのMVPは難しいだろうとみられていた。
だが、圧倒的な打撃成績で、シーズン終盤にはMVP最有力に浮上した。大谷とMVPを争う最終候補はメッツのリンドア、ダイヤモンドバックスのマルテだが、打撃成績では大谷が圧倒的だ。この日、最終候補を発表した米専門テレビ局MLBネットワークの司会者も「守備をしなくても関係ない。彼は球界の常識を塗り替え続ける」と、大谷が最有力であることを示唆した。
選出されれば、DHで史上初というだけでなく、史上2人目のア、ナ両リーグでの受賞となる。フランク・ロビンソンが61年にレッズ、66年にオリオールズで選出されており、実に58年ぶりとなる。また、MVP3度選出は、長いメジャーの歴史でも11人目となる。
MVPはレギュラーシーズンの成績を対象に、BBWAA会員30人の投票で決定する。受賞者は米東部時間21日午後6時(同22日午前9時)から、MLBネットワークの番組で発表される。