ソフトバンク小久保裕紀監督(53)が11日、外野の新構想を明かした。リーグ連覇を目指す来季へ右翼は近藤、左翼に柳田の新たな起用を明言。一番の理由は「柳田の負担軽減」とし、今季のレフト近藤、ライト柳田からコンバートさせる。さらに34本塁打、99打点で打撃2冠の山川とともに現状で来シーズンの“レギュラー内定”とした。この日は福岡・筑後市のファーム施設を訪れ、野手組による秋季キャンプを視察した。
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日本シリーズ敗退から8日後。来シーズン開幕までは4カ月以上あるが、小久保監督はすでに新構想を思い描いていた。
「ライトは近藤、レフトプラスDHで柳田」
今季は主に右翼は柳田、左翼に近藤を起用してきた。それが一転して、レフトに柳田、ライトへ近藤のコンバートを明言。一番の理由には「柳田の負担軽減」と言う。柳田は今年5月に右太もも裏を負傷し、全治4カ月の大けがを負った。シーズン終盤に復帰するも、今季は52試合出場にとどまった。来年37歳を迎えるチーム最年長プレーヤー。DH起用に内野へのバックアップが少ない左翼で守備負担を軽減させる狙いだ。
「ライトは(一塁への)送球のたびに全部走らないといけない。年齢的にも、打つ方にほぼ専念してもらって」
柳田の左翼での先発出場は通算3試合のみ。一方の近藤はホークスで右翼守備はなく、日本ハム時代に計154試合に先発出場している。小久保監督は「もちろん体調に合わせて(近藤も)DHでスタートはあるかもしれないけど、基本的にライトで全部出る選手」ときっぱり。すでに「もう本人たちにも伝えてある。日本シリーズ前に」と打ち明けた。両選手も納得済みだという。
さらに主力3選手の来季レギュラー内定を明言した。「当確者は普通に考えて柳田、山川、近藤」。昨オフに続いて柳田、自身初の首位打者を獲得した近藤は不動の主力として指名。移籍1年目で34本塁打、99打点で打撃2冠の山川にも当確ランプがともった。3選手以外は競争? の問いに「そうです」と即答。一塁に山川、右翼は近藤、左翼には柳田と残り6つのポジションは現状で白紙の状況だ。遊撃今宮、三塁栗原を含めて激しいスタメン争いへと発展する可能性もある。
「レギュラーシーズンで2連覇することが大事」。万全の布陣を整え、「V2」に挑む。【佐藤究】