広島九里亜蓮投手(33)が保有する海外フリーエージェント(FA)権を行使する意向を固め、12日にも申請書類を球団に提出することが11日、分かった。チームへの愛着がある一方で、自身の強い挑戦心から決断。すでに球団には、意思を伝えているとみられる。
九里は亜大から13年ドラフト2位で広島に入団。1年目から先発と中継ぎでフル回転し、18年までの3連覇に貢献した。20年からは先発に定着。21年には13勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得した。今季は規定投球回未満の131回2/3に終わったが、17年から8年連続で20試合登板、110投球回をクリア。来年9月に34歳となるが、入団11年で負傷離脱が1度もなく、今もなお中4日での先発もいとわぬタフさが武器だ。
昨季途中、海外FA権を取得した際には「向こうの野球には興味があります」と父の住む米国でのプレーへの思いを隠そうとはしなかった。今季、21年オフに結んだ3年契約の最終年を終え「僕1人のことではない。家族のこともあるし、話し合いながら(決めたい)。これから先(こういう機会は)もうないと思うので」と話していた。広島球団からの慰留を受けながらも、熟考を重ねた上で、FA宣言することを決めた。今後は14日にFA宣言選手として公示され、海外球団を含め、国内球団との交渉も可能となる。すでに、九里の獲得に興味を示している国内球団もあるもようだ。