明大野球部が11日、東京・府中市の同校グラウンドで、早大との優勝決定戦を翌日に控え、練習を公開した。
東京6大学野球連盟で優勝決定戦が行われるのは、2010年、元日本ハムの斎藤佑樹投手擁する早大と慶大との優勝決定戦以来、14年ぶり。明大-早大のカードでの優勝決定戦は76年ぶりとなる。
楽天ドラフト1位で主将の宗山塁内野手(4年=広陵)は練習後、明日のキーマンを聞かれ「キーマンですか? 自分っすかね(笑い)」と、自分を指名した。
チームでの役割は十分に理解している。「自分が打てば点が入りますし、打たなければ…というのもあるんですが、本当、どんな形でもいいので、相手よりも1点を多くとるために、打撃でも守備でも勝負どころで結果を出したいと思います」。いつも謙虚な発言が多い宗山が発した力強い言葉には、優勝決定戦への強い気持ちがあらわれていた。
準備万全で明日を迎える。この日は、8時30分からアップを開始。ランメニュー、キャッチボールにノック。シートバッティング。11時からのバッティングで宗山は約15分間、ゲージに入り打ち込んだ。
「自分の動きの確認と、体がどんな感じで仕上がってるかを確認しました。この後もトレーニングをやっていい状態に仕上げたいと思います」
11月4日に法大との熱戦を終えて1週間。優勝決定戦が行われることを信じ、練習を続けてきた。
10日も午前中の練習を終え、午後から寮の部屋で動画配信で観戦。途中からは食堂でチームメートと喜びを分かち合った。「盛り上がりましたね。みんな本当に勝ちたいんだなって感じました。元々なかった試合。もう1試合できるのがうれしい」。
今は、一発勝負のプレッシャーよりも4年間一緒に戦ったチームメート、そして今季で退任を発表している田中武宏監督(63)の下で試合ができることが、楽しくて仕方ない。
今年、春秋のリーグ戦で6試合を戦い1勝4敗1分で、いずれも勝ち点を落としている。「(リーグ戦全日程は終了して)もう個人の成績を気にすることもない。あとは本当にやり切るだけ。試合の入りだけは気を付けたい」。慶大の気持ちの強さにも影響され、明日は大学4年間の集大成をかけて戦う。【保坂淑子】