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【横浜FC】直近3試合で足踏み、3位長崎に詰め寄られるヒヤヒヤ展開も1年でJ1昇格決める


横浜FCは、J2最終節でJ1昇格を確定させました。昨季J1で最下位となり降格した横浜FCは、今季J2で四方田修平監督の指導の下、新加入選手を含めた新体制で挑戦しました。開幕当初、選手の入れ替わりや負傷者の影響でスタートが遅れましたが、チームは次第に結束を強め、5月の清水エスパルス戦をきっかけに8連勝するなど好調を見せました。特に、DF福森晃斗のセットプレーでの活躍がチームの得点力に貢献しました。最終的に、試合内容の改善と堅実な守備で勝ちを重ね、J1昇格を自力で果たしました。選手間では、J1の厳しさに対する警戒感が強く、さらなる成長を目指しています。

横浜FC四方田監督(2023年12月3日撮影)

<明治安田J2:山口-横浜FC>◇最終節◇10日◇みらスタ

横浜FCが2季ぶりのJ1昇格を決めた。来季J1昇格に王手をかけてからベガルタ仙台に0-3、ファジアーノ岡山に2-4で敗れ、前節はJ3に降格が決まっている栃木SCに0-0。3試合で勝ち点1しか積み上げられず、3位のV・ファーレン長崎に勝ち点差3に詰められていた。

そんな中、リーグ最終戦で勝ち点を積み上げ、自力でJ1昇格を決めた。

昨季のJ1は1チームだけの降格にもかからわず、横浜FCは最下位の18位に沈み降格した。昨夏にエースで日本代表に名を連ねるようになったFW小川航基がオランダ1部NECナイメヘンに移籍したことも大きかった。さらに、J2降格で、主力のMF山下諒也(26)がガンバ大阪に、DF近藤友喜(23)がコンサドーレ札幌に移籍した。

今季は四方田修平監督の札幌時代の“教え子”であるDF福森晃斗(31)とMF中野嘉大(31)が加入。前線も柏レイソルからFW森海渡(24)、浦和レッズからFW高橋利樹(26)が加わった。

開幕から3-4-2-1をベースに戦ったが、選手の入れ替わりに加え、序盤は負傷者が出たことで、四方田監督が選手の最適の組み合わせの“最適解”を見つけるまで時間を要した。 試合内容も、J2の舞台で思ったように相手を押し込めない試合運びが続き、開幕から2分けとスタートダッシュはならなかった。

どういう戦い方をすべきか-。四方田監督が提示する大まかなルールをもとに、選手たちが練習からコミュニケーションを図った。「相手にボールを持たれても、まずは、しっかり守ることから入ろう」と意思統一。堅固な守備を貫いた上で、3バックの左に入る福森の精度の高い左足の武器を生かし、セットプレーやクロスから好機をつくる戦いがベースとして培われていった。

「流れが悪くても、コーナーキックからの1発で勝てればいい」とぶれない考えが共有され、自然と勝負強さも育まれていった。

5月6日の第14節でジェフ千葉に敗れ、第15節でロアッソ熊本と引き分け。その時点で首位清水エスパルスとの勝ち点差は最大12に開いた。ターニングポイントとなったのは5月18日の第16節の清水戦だった。

左ウイングバックにドリブル突破や攻撃が特長の中野、左のシャドーにスピードのあるMF小川慶治朗が先発起用され、左サイドが活性化。福森がより高い位置でプレーできる組み合わせが奏功した。清水に2-0と快勝し、そこから破竹の8連勝と勢いに乗った。

前節までの得点は、今季58得点のうちPK(3点)、直接FK(1点)を含めセットプレーからの得点はリーグ最多の22点。直近の仙台戦、岡山戦で大量失点したが、1試合平均リーグ最少の0・73点だった。数字にも、福森のキックを武器に「したたかに勝つスタイル」が顕著に表れており、1年を通し「勝負強さ」が育まれた証でもあった。

昇格に王手をかけてから複数失点で2敗1分けと足踏みしたが、苦しみながらも昇格を手にした。選手たちに慢心はない。昇格を決めた今も、選手からは「J1だったら1発でやられているカウンターがある。危機感しかない」との声があがる。来季からのJ1定着を目指し、横浜FCの戦いはまだまだ続く。

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