<明治安田J1:鹿島0-0名古屋>◇第36節◇9日◇カシマスタジアム
鹿島アントラーズは、ルヴァン杯覇者の名古屋グランパスに0-0で引き分けた。
試合前にジーコ・クラブアドバイザー(CA)の引退30年のセレモニーが行われ、94年から96年まで鹿島に在籍した元ブラジル代表MFレオナルド氏が駆けつけた。9年ぶりの来日。セレモニーを終え「ジーコさんが来て鹿島を常勝軍団にしたことが奇跡のようなもの。自分は少しでも貢献できたのかな」と振り返った。
リーグ優勝は、10日に首位のヴィッセル神戸が勝ち点を積み上げれば、8年連続の国内タイトル無冠が確定する。現在の鹿島に「物事はいいときと悪いときがある。試合を見て悪いという感じではないが、昔の輝きが当時と比べるとないかなと。組織ぐるみでの転換期で、選手や監督がコロコロ変わっている。今は苦しむべき時かもしれないが、この後にはいいときが来ると見ている」と述べた。
レオナルド氏が鹿島でプレーしていたころは、日本はワールドカップ(W杯)が遠い存在だったが、今やW杯常連国となり、日本人選手が大勢、欧州チャンピオンズリーグに出場する時代となった。当時を「この道を進めば必ず日本は良くなると感じていた。今やJリーグが根付き、さらに日本が強くなると思っている」と期待を寄せた。
試合には2万人以上のサポーターが駆けつけ、選手を後押しした。今も変わらぬサポーターの熱量を感じ「90分、応援してくれることを、選手も感じなくてはいけない」とし「待ってるのではなく、何かを起こそうと仕かけるべき。1人1人がそういう感情を持ってやって欲しい。結果が出ないとき、ピッチ内外で自分が仕かけて何かを起こしてやる、という強い気持ちが、素晴らしいサポーターに対する感謝になる」と選手に奮起を促した。【岩田千代巳】