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【ロッテ】佐々木朗希、異例のメジャー挑戦「若い年齢で勝負したいと」球団は本人の意志尊重


ロッテは投手佐々木朗希の米メジャーリーグへの移籍手続きを開始した。佐々木は入団以来、「25歳ルール」を超える前にメジャー挑戦を希望しており、これはポスティングシステムを利用したものとなる。しかし、このルールのため佐々木はマイナー契約のみとなり、球団への譲渡金は契約金の25%に限られる。この挑戦は佐々木の意志を尊重したものであり、球団は経済的な利益よりも選手の希望を優先した。佐々木はまだ23歳で、日本での実働年数4年、通算試合登板64試合と少ない実績にもかかわらず、そのパフォーマンスと意志の強さが評価された。

ロッテ佐々木朗希(2024年10月撮影)

ロッテは9日、佐々木朗希投手(23)のポスティングシステムによる米メジャーへの移籍に向けた手続きを開始すると発表した。佐々木は入団当初から、早期にメジャー挑戦したい意向を球団へ伝えていた。現行の大リーグの労使協定による「25歳ルール」のため、マイナー契約しか結べず年俸も低く抑えられる。それでも、球団は若き右腕の背中を押す決断を下した。

   ◇   ◇   ◇

異例のメジャー挑戦となる。ZOZOマリンで取材に応じた松本尚樹球団本部長は「毎年思いは一緒なんですけど、とにかく早く行って勝負したいと。1日でも早く、若い年齢で勝負したいとはずっと入団当初から言っていて、そういう話をずっとやってきた。最終的には総合的にこちらも判断して今年、容認しました」と、佐々木本人の意思を尊重したことを明かした。

入団時に、早い段階でのメジャー挑戦を容認する契約があったかは「実際、本当にないです」とはっきりと否定した。「(入団から)5年というのは全く決めていなかったんですけど、1年1年しっかりと自分自身を持って話をしていたので、こうなったら背中を押してあげたい」と語った。

金額だけなら、ロッテのメリットは少ない。25歳ルールでマイナー契約となり、球団への譲渡金は契約金の25%のみ。昨オフに山本がポスティングでドジャース移籍してオリックスに支払われた70億円超のような大金は望めない。それでも、松本本部長は「そこは意識せずに、本人とずっと話してきたので。それは別として本人の思いの強さとか、最終的に判断して容認した形」と繰り返した。

過去に例がないのは、金額にとどまらない。ポスティングで米移籍した日本人投手は17人。佐々木の23才は大谷(日本ハム)と並ぶ最年少だが、実働年数4年は最少。通算64試合登板も最少で、同29勝は大塚(中日)に次ぐ少なさだが、大塚はリリーフ投手。日本での最終年俸8000万円も藤浪(阪神)に次ぐ少なさだ。完全試合など圧倒的なパフォーマンスはあったが、実績が少ないのは事実だ。

今季は自己最多10勝を挙げたが、右上肢のコンディション不良などで2度の離脱。1年間、先発ローテを守ったことがない。それでも、球団は本人の強い思いを後押しする。昨年は契約更改が越年し、キャンプイン間近の1月26日に12球団最後に更改。「野球を始めた頃から将来的にメジャーリーグでプレーしたいという思いはあった。毎年そういったコミュニケーションは球団ととってきた」と話していた。松本本部長は「日本代表でもありながら、ロッテの代表でもありますので、世界で頑張ってほしい」とエールを送った。【星夏穂】

◆25歳ルール 25歳未満かプロ6年未満の海外選手はマイナー契約しか結べない制度。契約に使える金額は、各球団に割り当てられたインターナショナル・ボーナス・プールの範囲内(年間500万ドル~700万ドル程度)に制限される。17年オフに23歳で日本ハムからエンゼルスへ移籍した大谷は契約金230万ドルでマイナー契約。キャンプは招待選手として参加し、開幕前にメジャーに昇格した。

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