<秋季高校野球関東大会:健大高崎10-3佐野日大>◇29日◇準々決勝◇等々力球場
健大高崎(群馬1位)の石垣元気投手(2年)が、自己最速を4キロ更新する158キロをマークした。大船渡高時代の佐々木朗希投手が18年秋に練習試合で2年生ながら記録した157キロを抜き、2年生としては歴代最速の球速になる。
2回2死三塁、7番福田へのフルカウントからの内角直球が、惜しくもボール判定となったものの、球場スピードガンで「158」が表示された。
ベンチに戻ってから仲間に知らされたという石垣は「たぶん、そんなに出てないと思います」と苦笑い。ネット裏のスカウト陣が持つスピードガンでは最速153キロ前後が多く、石垣本人の体感でも「153、154キロくらいだと思います」と振り返った。
2回には3四死球でのピンチから3点適時二塁打を浴びたものの、カーブやスライダーも交えながら落ち着きを取り戻し、コールド勝利を決めた7回まで投げ抜いた。打撃でもスイッチヒッターながら「練習で調子が良かったので」と、佐野日大のプロ注目左腕・洲永相手にあえて左打席に入り、先制2点適時打を放つなど投打に貢献した。
昨春のセンバツ優勝の際に2枚看板を組んだ左腕の佐藤龍月投手(2年)が今夏、左肘のトミー・ジョン手術を受け、少なくとも来春時点での投球はできない状況にある。そんな中、関東大会4強入りで来春センバツ出場を確実にした。
石垣は「まだ佐藤みたいな投球はできないんですけど」と謙遜しながら「全員で優勝旗を返しに行くことを口にしていたので、まずはうれしいです」とたぐり寄せた春連覇の権利に、まずはホッとした様子だった。【金子真仁】