西武のドラフト1位金沢(石川)・斎藤大翔内野手(17)が「球界の横綱」を目指す。25日、金沢市内の同校で指名あいさつを受けた。創立96年の歴史を誇る同校OBには昭和の大横綱の輪島がいる。競技は違えど江戸時代から73人しかいない番付の頂点に上り詰めた大先輩のように、斎藤も「球界で際立った存在になりたい。目標は日本一の遊撃手になることです」と力強く宣言した。
輪島といえば、左下手投げを決め技とする「黄金の左」で一時代を築いた。横綱を務めた1973年から81年が横綱北の湖の全盛期と重なり、昭和の相撲史を彩る「輪湖(りんこ)時代」を作った。輪島の死去から6年後。大横綱の母校から、首脳陣が太鼓判を押す新たな逸材が現れた。斎藤は「西武ライオンズという素晴らしい環境の中で、自分が少しでも早く1軍に上がれるよう力をつけていきたい」と謙虚に語った。
西口監督も大きな期待を寄せ、フェニックスリーグ開催中の宮崎入りの予定を変更。急きょ駆け付けた。「監督に就任して1年目の初めての選手だったので行かなきゃと思って。斎藤君だし、それで金沢にきた」と丁寧に説明した。遊撃手としての守備面は「ゲームでいえば『S』ぐらいあるんじゃないか。あとは打つ方を上げてくれれば」とエールを送った。
指名あいさつを終えて「本当にうれしい。必ず期待に応えたい」と斎藤。決意がより一層強固になった様子だった。【平山連】