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新潟医療福祉大・佐熊裕和監督のストライカー育成術「自ら壁を越える力」教え子がJ2得点王争い


J2得点王争いを熱くさせる千葉小森と藤枝矢村の大学時代を振り返る新潟医療福祉大佐熊監督(撮影・小林忠)

北信越大学リーグ1部の新潟医療福祉大サッカー部佐熊裕和監督(60)が、ストライカー育成魂にますます火をつけている。教え子のジェフ千葉FW小森飛絢(24)と藤枝MYFC・FW矢村健(27)が、J2で得点王争い。小森は22得点でランクトップ。3学年先輩の矢村はキャリアハイの15得点で追走する。リーグ8連覇を達成した後輩たちも含め、元同大2トップの活躍に刺激を得ている。

   ◇  ◇  ◇   

Jの舞台で自分の特長を理解して輝く2人を育て上げた佐熊監督は当時、この言葉を繰り返し伝えていた。

「ズルをするではないけど、勝負どころできゅっと行くっていうかね。2人ともスピードがあるわけでも、体が強いわけでもなかった。なのにそれと同じようなことをしようとする。『そうじゃないだろ』と」

FWはフィニッシュゾーンで仕留めるのが仕事。とにかくゴールが取れるスペースに入ることを徹底させた。小森はその教えを体現するようにゴールを重ねJ屈指の注目株に成長。プロ5年目の矢村もダイナミックなゴールを武器に、点取り屋として覚醒した。「常に100%の力で動くFWはマークをしていて楽。いい意味で力を抜き、最後の瞬間に出力を上げる。スタイルを確立しつつあるね」と2人の成長を喜ぶ。

05年に創部され、14年に佐熊監督が就任した新潟医療福祉大は小森が4年時に出場した22年度のインカレと、今夏の総理大臣杯で全国準Vに輝くなどメキメキと力を伸ばす。5日には残り2節を残し、開幕から12連勝で北信越大学リーグ1部8連覇を決めた。現チームの点取り屋は17得点で同リーグ得点ランク首位を走るFW吉田晃盛(3年)。左ウイングの位置からゴールを奪うMF森駿人(1年)らも、次々と台頭する。

OBの活躍は学生にとって大きな励みとなり、目標となる。大学時代に2トップも組んだ小森も矢村も在学時は、調子の波はあった。それでも「ストライカーは悪い時も我慢して試合に使い続ける。自分で壁を越える力がないとプロにはなれない。タフな選手を育てたい」。北信越からJの舞台、そして世界で通用するストライカーを輩出するため、佐熊監督の挑戦は続く。【小林忠】

◆佐熊裕和(さくま・ひろかず)1963年(昭38)年12月1日生まれ、東京都出身。86年に当時無名の桐光学園高サッカー部(神奈川)の監督に就任し、13年までの27年間で高校選手権準優勝1回、4強1回、インターハイ準優勝1回と強豪校に育て上げた。13年に日本サッカー協会S級ライセンスを取得し、同年に中国3部リーグの梅縣(バイケン)を指揮した。14年に新潟医療福祉大サッカー部監督に就任。北信越大学1部リーグは17年から8連覇中。これまでプロに育てあげた選手は、中村俊輔氏(横浜FCコーチ)、鈴木孝司(新潟)ら60人以上。

◆小森飛絢(こもり・ひいろ)2000年(平12)8月6日生まれ、富山県出身。富山一を経て新潟医療福祉大。18年全国高校総体得点王(7点)。20~22年北信越大学リーグ1部得点王で、21年は18試合出場でリーグ歴代最多31得点をマーク。21、22年全日本大学選抜。178センチ、74キロ。利き足は右。

◆矢村健(やむら・けん)1997年(平9)6月9日生まれ、東京都出身。市船橋(千葉)を経て新潟医療福祉大。18年北信越大学リーグ1部得点王。2年時から3年連続でリーグMVPとベストイレブンを受賞。20年に新潟に加入し、23年から藤枝に期限付き移籍。169センチ、69キロ。利き足は右。

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