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【東京V】30試合終えて6位浮上、山田楓喜「そんなびっくりもしない」好調の要因は何なのか?


残暑の中、トレーニングに励む東京Vの山田楓喜

16年ぶりのJ1を戦う東京ヴェルディが、終盤戦に向けて急浮上している。30試合を終え、11勝11分け8敗の勝ち点44で6位。

前節14日の北海道コンサドーレ札幌戦に2-0と勝利し、今季初の3連勝。チームの一体感は試合を重ねるごとに増しており、ソツのない攻守が光っている。

チームは札幌戦から2日間のオフを過ごし、17日から東京・稲城市の練習場で次節のサガン鳥栖戦に向けてトレーニングを再開した。残暑が厳しい中、選手たちは大粒の汗を流した。連勝中とあって自然と声も大きくなり、見守る城福浩監督からも笑みがこぼれた。パス回しなどボールを使ったメニューに励んだ。

好調の要因は何なのか? 練習を終えた選手に声をかけた。

鹿島アントラーズから今夏レンタルで加入したMF松村優太は「どんな相手もリスペクトして、自分たちのサッカーをやりつつ、走り勝つことだったりとか意識しています。自分たちに矢印が向いているのが好調の要因かと思います」と教えてくれた。

誰もがチームの勝利のために何ができるかに目を向けているという。

「スタートだろうが、途中からだろうが、90分だろうが、10分だろうが、自分たちができることっていうのにフォーカスできている。自分も柏戦みたいに出場時間がない時もあれば、前節みたいに30~40分ある時もあるし、その中で自分が何ができるかだと思っている」

札幌戦では途中出場し、後半アディショナルタイムにチーム2点目のゴールをアシストした。

その札幌戦で2点目のゴールを決めたのがMFチアゴ・アウベスだった。出場機会に恵まれない中、練習に真面目に取り組み、少ない時間の中で今季初ゴールを挙げた。そのチアゴはヴェルディの強さをこう説明する。

「全員がボールがないところでも全力で戦っている姿勢というのは、みんな分かっている。今回の試合(札幌戦)で言えば、楓喜と自分がゴールを決めましたけど、それ以外の選手たちのおかげでゴールが生まれています。11人だけでなく途中から入った選手も含め、全員が全力を出し切ったあの戦い方だったからこその勝利だと思います」

そして先制点を挙げたMF山田楓喜は、チームの戦う姿勢について言及した。

「チーム全員が調子いい時でも、悪い時でも、1人1人でなく、チーム全員でその試合に向かって行けている。それが3連勝にもつながっているし、苦しい中でも勝ち点3を取れるチームになってきている。それと勝ちたいという気持ちじゃないですか、一番は」

札幌戦ではファーストプレーでDF千田海人が敵陣へ大きくロングフィードしたところ、ジャンプして空中で相手選手と体ごと競り合ったのは山田楓だった。空中で体勢を崩し、地面に腰から落ちた。最初のプレーで戦う気迫を見せたことは、チームを鼓舞するものだった。

そんな選手たちの戦う意識を醸成しているのが、ヴェルディの練習場。甘いプレーには城福監督からも叱責(しっせき)が飛ぶ。シーズン序盤は試合終盤の勝負どころでの失点が目立ったが、そんな姿は今やどこにもない。山田楓が続ける。

「対戦相手どうこうより、自分たちがどう戦うか、やるかによって変わってくる。自分たち次第ですね。もちろん対策とかして、どういう選手がいて、こうやって攻めていこう、こうやって守ろうというのはあるんですけど、最終的には気持ちなんで。それが一番出ているんじゃないですかね、勝ちたいという気持ちが全員から出ています」

ビッグネームを連れてくる資金力はない。他クラブで出場機会が少ない若手選手をレンタルでかき集めた。そこは城福監督らスタッフの指導力による「成長」がキーワード。さらにレギュラーが約束された選手は誰一人おらず、練習の中から戦える選手を選び、結果を出せた者が起用される。そのチーム内競争が好循環し、現在の順位へとつながっている。

そして6位について尋ねると、山田楓は事もなげに「そんなびっくりもしないですし、なんならもうちょっと勝って上にいる想定ではあったので」。

また、松村は「残り8試合で一番上との差はなかなか開いているかもしれませんが、ACL圏内(3位)は狙える位置にいます。ただ、そこまで下と差が開いているわけでもないし、入れ替わる可能性もあるので、次勝つことができれば食らい付いていけるし、逆に負ければまた(下位に)巻き込まれていく可能性もある。自分たちはいい危機感、ピリピリ感を持ちながら、ACL圏内を狙っていければいいかなと思います」

いよいよ終盤戦。16年ぶりのJ1で戦前の予想を上回る戦いを続けるヴェルディ。その戦いぶりから目が離せない。【佐藤隆志】

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