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【なでしこ】藤野あおば鮮やかFK弾で先制も及ばず、世界王者スペインに1-2逆転負け


日本対スペイン 前半、先制ゴールを決め、清家(左)とタッチを交わす藤野(撮影・垰建太)

<パリオリンピック(五輪):サッカー・スペイン2-1日本>◇25日◇女子1次リーグC組◇ナント・ボジョワール競技場

女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランキング7位)が昨年のワールドカップ(W杯)女王のスペイン(同1位)に1-2で敗れ、黒星スタートとなった。MF藤野あおば(20=日テレ東京V)の鮮やかなFK弾で先制したが、地力に勝る相手の攻撃を食い止められず逆転を許した。

W杯の1次リーグ初戦でも顔を合わせ、その時は日本が4-0と快勝した。しかし日本が8強で敗れた一方で、スペインは初優勝を手にしている。

その宿敵との開幕カード。日本の先発メンバーは、GK山下杏也加(無所属)DF清水梨紗(マンチェスターC)南萌華(ローマ)熊谷紗希(ローマ)古賀塔子(フェイエノールト)MF清家貴子(三菱重工浦和)長谷川唯(マンチェスターC)長野風花(リバプール)宮沢ひなた(マンチェスターU)藤野あおば(日テレ東京V)FW田中美南(ロイヤルズ)。

開始2分、先にチャンスを作ったのは日本だった。田中のワンタッチで裏抜けした藤野が左足でシュート。ここはGKコールにセーブされた。

縦への速い攻撃でチャンスを演出する日本は前半12分、相手のクリアボールを拾った田中がペナルティーエリア手前で倒されてFKを獲得した。ゴールやや右側から約23メートルの距離。藤野が右足で鋭く巻いて右隅を狙う。GKコールが懸命に伸ばした手をはじき、ゴールに飛び込んだ。藤野の鮮やかな一撃が飛び出し、幸先良く先制した。

しかし世界王者も黙っていない。前半22分、FWデル・カスティージョのスルーパスからMFボンマティがゴール前へ抜け出す。前へ出たGK山下がドリブルでかわされ、右足でゴールを奪われた。昨年の国際サッカー連盟(FIFA)女子最優秀選手の得点で試合は振り出しに戻った。

その後はスペインの高い位置からのプレス、ボール回しに苦しみ、押し込まれる展開が続く。日本はゴール前を閉め、相手の攻勢を受けながらも追加点は許さず。1-1のまま勝負は後半戦へと持ち込まれた。

後半開始から清家に代えてFW浜野まいか(チェルシー)を投入。前半右ウイングだった宮沢を左のウイングバックへと配置転換し、5バックでスペインの攻撃を受けとめた。池田太監督は自陣に引いた展開からワンチャンスを狙った現実的な戦い方を選択。押し込まれる展開が続いた。

後半20分すぎ、清水が相手選手のドリブルを止めようとした際に足を痛めるアクシデント。ピッチに横になったまま動けず、担架で外に運ばれた。同23分にDF高橋はな(三菱重工浦和)が代わって入った。

そして後半29分、日本は勝ち越し点を許した。左サイドからゴール前へボンマティとのワンツーから進入したFWカルデンテイに右足のコントロールシュートをゴール右隅へと決められた。1-2。世界王者の地力の前に1点のビハインドとなった。

5バックから4バックにし、宮沢を左の1枚前へ出してカウンターからの反撃を狙った。しかしスペインの組織だったディフェンスとボール支配を打ち破れず。健闘したが初戦を落とした。

次戦は28日(日本時間29日午前0時)にブラジル(9位)と対戦する。

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