<明治安田J1:名古屋2-1柏>◇第23節◇14日◇豊田ス
ポルトガル1部カザピアへの期限付き移籍から、11日に復帰が決まったばかりの名古屋グランパスFW相馬勇紀(27)が、復帰戦即先発でゴールを挙げ、チームを逆転勝利に導いた。
7戦未勝利(2分け5敗)だったチームは、8試合ぶりの勝利で連敗を4で止めた。
「進化したと自分でも思っているので、結果として還元したかった。自分がポルトガルにいたチームは、観客が最初100人とか。久しぶりに自分がサッカー選手で、すごく応援されていると感じてプレーできた。本当にうれしかった。たくさんのご声援、ありがとうございます」
本拠地には3万1961人の観客が詰めかけ、恵まれた環境を素直に喜んだ。
相馬の古巣での出場は、約1年8カ月(617日)ぶりだった。最後の試合が22年11月5日の敵地セレッソ大阪戦。その試合で決めていた得点を、復帰戦で決めるところが勝負強い。これでJ1通算10点目(129試合)とした。
左ウイングで先発し、途中から右に位置を変更した相馬は、1点を追う後半9分、MF山中亮輔(31)の右CKからDF河面(かわづら)旺成(30)の頭を経由し、遠いサイドにいた背番号22(22年までは11)がヘッドで押し込んだ。
「ポルトガルに行って、ゴール前の動き出しのところで、すごく点を取れるようになって自信がついていた。入るタイミングがよかったし、全員のいい絡みが出たゴールかなと思う」
22年ワールドカップ(W杯)カタール大会で日本代表になり、ポルトガル1部で昨季5得点するなど、世界で経験した実力を存分に発揮。この日は鋭いFKやスルーパス、サイドでの豊富な運動量を見せた。
さらに前半34分には、右足で決定的なシュートを放つも、相手GKに好セーブされていた。
相馬の同点ゴールから2分後、次はFW山岸祐也(30)がアビスパ福岡から今季新加入後、12試合目で移籍初ゴール。ルヴァン杯では得点を決めていたストライカーだが、J1通算26得点目(109試合)が、この日の決勝点になった。
これで柏には、リーグ戦で9試合連続負けなし(7勝2分け)となった。
長谷川健太監督(58)は「本当に(未勝利が続いて)苦しかった。選手が一番大変だったと思う。山岸が取ったのはチームに大きい。相馬の存在感は非常に光った試合」と、賛辞を惜しまなかった。
名古屋は通算9勝3分け11敗の勝ち点30とし、次節20日はヴィッセル神戸と戦う。