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「ちゅうちょなく中止や延期の判断をして」熱中症対策ガイドライン制定のJFA競技運営部に聞く


19年4月、青々とした芝がはえそろい、グランドオープンしたJヴィレッジ

1年前の今日、サッカー場で1人の男性が倒れた。2023年(令5)7月2日。埼玉県シニアサッカーリーグO-40(40歳以上)の公式戦に出場後、炎天下で意識を失い、帰らぬ人となった。42歳だった。事態を重く受け止めた日本協会(JFA)は、全国に熱中症対策の周知徹底を要請した。一周忌を前に、日本代表の森保一監督(55)が遺族と面会。再発防止への願い、酷暑下の「夏場のスポーツ」について考えることを、提起した。(敬称略)【取材・構成=木下淳】

JFAは2016年6月16日に「熱中症対策ガイドライン」を制定した。日本スポーツ協会(JSPO)の「熱中症予防運動指針」を基にしており、今年5月21日に改正。方針は変えていないが、試合実施の可否など迷わないよう判断基準を明確に打ち出した。Jリーグも「飲水タイム」の実施ルールについて6月8日からJFAの指針を適用。WBGT28度以上の場合は飲水タイムを取る、などの諸規定に則っている。

共催大会の会場も動かした。インターハイは、男子が今年からJヴィレッジ中心の福島県で固定開催。女子は昨年から、少なくとも来年までは冷涼地の北海道で行われる。「気温44度」で騒がれた日本クラブユース選手権U-18は、昨年までの群馬1県から群馬、大阪、山口、宮崎の4県で準々決勝まで分散開催。準決勝と決勝は東京・味フィ西で、全55試合の午後5時以降キックオフを実現した。

これから夏本番。長期休暇中は各地で多くの試合が組まれる。JFA競技運営部の担当者は力を込めた。

「危険な状況下では、ちゅうちょなく、中止や延期等の判断をしてください」

日時や会場の再調整を考えると、決断しづらい事情も理解できるが「やめてもいい状況を定めておくことが大切です。例えば決勝であれば両チーム優勝とか、頂点を目指す子供たちの期待を裏切らない基準を、全国の協会さん連盟さんで考えていただけると。この時期は雷も危険ですし」と担当者。グラスルーツ活動の広がりで意識の高まっているが、万全を期すべく今後も強く周知徹底していく。

◆WBGT(湿球黒球温度)Wet Bulb Globe Temperatureの略で、暑さ指数と呼ばれる。熱中症予防を目的に米国で1954年に提案された指標。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示され、人体と外気の熱のやりとり(熱収支)に与える影響の大きい(1)気温(2)湿度(3)日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、の要素を取り入れて総合的に暑さを評価する。JSPOの「熱中症予防運動指針」で目安が5段階で定められており、WBGT値21度未満は「ほぼ安全」、21度以上で「注意」、25度以上で「警戒」、28度以上で「厳重警戒」、31度以上で「運動は原則中止」としている。

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