＜春季高校野球東北大会：青森山田2－1聖光学院＞◇14日◇1回戦◇仙台市民球場
春季高校野球東北大会が開幕した。今春センバツ8強の青森山田（青森2位）は聖光学院（福島1位）にサヨナラ勝ちで8強に進んだ。6回からリリーフ登板したエース右腕・関浩一郎投手（3年）が4回3安打無失点と好投し、捕手の橋場公祐主将（3年）がサヨナラ犠飛で応えた。鶴岡東（山形1位）は日下心内野手（3年）が2本塁打の大暴れで、聖和学園（宮城3位）に勝利。秋田商（秋田2位）弘前学院聖愛（青森1位）仙台育英（宮城1位）盛岡大付（岩手2位）も8強に駒を進めた。
◇ ◇ ◇
同点に追いついた直後の6回、関が2番手でマウンドに向かった。「1番をつけている以上、失点するというのは本当に許されない」と、エースの責任にあふれていた。右飛、連続空振り三振で3者凡退。8回には2安打を浴び2死一、二塁を招いたが、空振り三振で得点を許さない。9回も2死から走者を出したが、後続を断った。同点のまま、最終回の攻撃につなぎ、主将・橋場のサヨナラ犠飛を呼び込んだ。
関がこの日、投げたのは直球とスライダーの2球種のみだった。センバツ後から全球種のレベルアップに取り組んで来た。「それ（2球種）だけでも抑えられるくらいボールに自信がある」と、鍛え上げた成果を披露した。自己最速149キロもマークし、聖光打線を4回3安打無失点。「全国の中でもトップレベルに仕上がっているチーム。そういうチームを0に抑えられたことは、また自分の自信につながる」と喜んだ。
福島王者を下し、次戦は春の山形を制した鶴岡東と対戦する。「1戦1戦、勝ち上がるたびに相手のレベルはすごい上がってくる。自分のピッチングもまた、より一層しっかり準備しながら、『0』を作れるように頑張っていきたいと思います」と気を引き締めた。5回の同点打は代打の藤田一颯（いぶき）内野手（3年）だった。チーム一丸で、東北大会秋春連覇へ向けて大きな1勝を挙げた。【濱本神威】
○…1人で130球の力投を見せた聖光学院・高野結羽投手（3年）は「チームを負けさせてしまった…。悔しいです」と涙が止まらず、言葉を絞り出した。5回には自らの暴投から同点を許した。それだけに、申し訳なさが募った。「もっと自分を磨いてチームに貢献できるピッチングをしたいです」と誓った。
