<日本生命セ・パ交流戦:楽天7-6巨人>◇11日◇楽天モバイルパーク
巨人のメモリアルアーチは空砲に終わった。「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で今季4度目のサヨナラ負けを喫した。2回2死一塁、岸田行倫捕手(27)が、ポンセから2号先制2ランを放ち、12球団最速となる球団通算1万1000号に到達。ルーキー泉口の2者連続となるプロ初本塁打、4回の丸の3ランと今季初の1試合3本塁打で最大4点差をつけたが、リリーフ陣が崩れ、今季ワーストタイの4連敗に沈んだ。
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伏兵のバットから飛び出た1発が、祝砲になるはずだった。2回2死一塁、岸田が楽天ポンセの150キロ直球を捉えた。西日に照らされる左翼席に吸いこまれていった打球が、眠っていた打線を呼び起こした。前カードのオリックス3連戦では3試合でわずか1得点。球団通算1万1000号のメモリアル弾が呼び水となり、続く泉口がプロ1号で2者連続アーチ。4回には丸が4号3ランで突き放したはずだった。
8回までに6点の援護を受け、4点差で先発山崎伊から継投に入った。中4日で登板した2番手の西舘が無死一塁から浅村に2ランを浴びて2点差に追い上げられた。3人目の高梨は2四球も踏ん張り、2点のリードを保ったまま9回のバルドナードにつないだ。チーム最多の26試合目の登板となった助っ人左腕は、制球が乱れた。1死一塁から3連続四球。押し出しで1点差となり、2死満塁から小郷に痛恨の2点適時打を浴びて万事休す。手中に収めかけた白星は、黒星に変わった。
今季4度目のサヨナラ負けで同ワーストタイの4連敗。阿部監督は「みんな必死にやっている。うちは抑えが行っているんだから、やるか、やられるか。今日はやられたけど、とにかく明日、切り替えて行きます」と、ブルペンを支えてきたリリーフ陣を責めようとはしなかった。
ベンチに戻ってからメモリアル弾を知った岸田は「特別な1本を打つことができてうれしい」と今季2号、プロ通算5号に目を丸くした。あと1死のところで勝利に届かず「負けてしまったら意味はないので。勝ち切れるように」。節目の1発が教訓としてチームに刻まれた。【為田聡史】