<とっておきメモ>
<ソフトバンク9-4日本ハム>◇6日◇みずほペイペイドーム
無理やりにでも口角を上げ続けた。千葉・鎌ケ谷スタジアムから勇翔寮へ続く坂道。今川優馬外野手(27)らしい笑顔でファンに応える。だが、見送られ歩き出すと、視線が少し下を向いた。
今季はキャンプから1軍に縁が無かった。育成が重視される2軍で、27歳の出番は減少した。それでも、ファンの前で表情を曇らせたことはない。
「応援してくださるファンの皆さんのためにも。腐ってチンタラしてたら、応援したくないって思うじゃないですか。応援してくれてる方々のためにも、せめて僕が野球を楽しんでる姿を見せて、良いとこ見せたいなって」
2軍では打率3割超。5月3日の楽天戦はサヨナラ満塁弾、翌4日の同戦でも2ラン。いずれも初球、一振りで文句なしの昇格だった。スマホを握って昇格の電話を待つ日々から脱した。「1軍で勝利に貢献してこそ、ファンの皆さんの喜びだと思う」。苦しい時に背中を押してくれるファンとめぐり会えた事に「マジで感謝」し、ここから恩返しする。【黒須亮】