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【U23日本代表】細谷真大“初ゴール”がV弾「(荒木が)うまく出してくれたので決めるだけ」


細谷真大(2024年撮影)

<U-23アジア杯カタール大会:カタール-日本>◇25日◇準々決勝◇ドーハ

【ドーハ25日=佐藤成】互いの意地がぶつかる死闘に決着をつけたのは、この男だった。

2-2の延長前半11分。右サイドのFKの流れからMF荒木のパスを受けたFW細谷真大(22=柏)がペナルティーエリアに進入し、相手GKの股を抜くシュートを打ち抜いた。「(荒木が)うまく出してくれたので、あとは決めるだけでした」。両耳に手を当てるゴールパフォーマンスで相手サポーターを黙らせた。

エースのお目覚めだった。苦しみに苦しんでいた。1~2月に同じカタールで開催されたA代表のアジア杯に選出されるも無得点。遅れて合流したクラブでは開幕から不発。そのまま臨んだ今大会でも得点が奪えず、批判にさらされた。「焦りがないといったうそになりますけど、取れていない状況は受け止めている」。柏の関係者からも「焦るな」と連絡を受け、気持ちを保った。「チャンスは作れている。ヘディング、反転シュートは良いイメージでもっていけている。しっかりあとは決めきるということだと思います」。これ以上ない場面で得点感覚を呼び覚まし、“初ゴール”をここぞで決めた。

同じような経験があった。柏の下部組織時代。高1~2の間になかなか得点が奪えない時期が続いた。「取れていない状況でもチームのために走ることはやっていた」。献身性で長いトンネルを脱出した。この日も前線からのプレスも含めて愚直に走り続け、最後にご褒美が待っていた。

想像以上の激闘だった。前半2分にMF山田楓の左足ミドルで先制。同点に追いつかれた後も、相手GKを一発退場に追い込んで、試合の大半を優位に進めた。それでも約9000人の地元サポーターの声援に乗せられた相手の守備に苦しみ、後半開始早々にセットプレーから逆転を許した。

それでもじれなかった。チーム全員が「武器」と語るセットプレーが頼みの綱となった。後半22分に山本の蹴った右CKにDF木村が合わせて同点。劇的勝利を演出した。より一体感の増す戦いで、開催国カタールを退けて、パリ五輪にあと1勝とした。

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