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井上尚、Sバンタムへの挑戦=「ひりひりする試合」求めて―モンスター、新たな舞台へ(上)


 プロボクシングで日本選手初の世界主要4団体王座統一を果たしたバンタム級王者の井上尚弥(大橋)。「この階級でやり残したことはない」と語り、1階級上のスーパー(S)バンタム級に移る意向を示している。世界4階級制覇が懸かる次なる舞台では、これまでにほとんどなかった、勝つか負けるか分からない「ひりひりする試合」を求めている。  上限体重53.5キロのバンタム級では10キロ以上の減量を強いられているそうで、同55.3キロのSバンタム級に上げることで負担は軽減される。所属ジムの大橋秀行会長によれば、「(減量前の)体重がある時のスパーリングの強さを見ている。尚弥の良さはもっと出る」。ただ、体格の大きな相手と拳を交えることになり、身長165センチの井上尚は「170センチ台の選手がごろごろいる中に挑んでいく。戦い方をしっかり考えていかないと」と語る。  各団体の王者をKOで次々となぎ倒し、4団体の王座を統一したバンタム級のような圧倒的な勝ち方は容易にはできなくなるだろう。「自分がこの体格でSバンタム級に上げて挑むとなると(重視するのは)そこではなくなる。組み立ててボクシングをすることが大事」。技術面や戦略がカギを握るとみている。  派手なKO勝ちは減るかもしれないが、「ファンの期待を超える」という強い思いは変わらない。「毎ラウンドひりひりするような技術戦も絶対出てくると思う。そういう試合になれば、見ている方も勝ち方が何であろうと絶対にわくわく、ひりひりする」。Sバンタム級の強豪との戦いを心待ちにしている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕バンタム級世界主要4団体王座を統一し、ガッツポーズする井上尚弥=13日、東京・有明アリーナ 〔写真説明〕バンタム級世界主要4団体王座統一戦の3回、バトラー(右)を攻める井上尚弥=13日、東京・有明アリーナ
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