無念の高安、潔く＝大相撲九州場所

　初優勝に王手をかけていた高安は阿炎に２度屈し、またも念願を果たせなかった。本割は攻め切れず、優勝決定ともえ戦では、変わって立った相手の胸に顔をぶつけ、そのまま土俵に崩れた。「落ちてしまった自分が悪い」と潔かった。 　３月の春場所以来、今年２度目の決定戦。その時も千秋楽の本割で阿炎に敗れた。自力で決着をつけられず、目の前で賜杯を逃していただけに、再び味わった無念さは想像を絶するものがある。引き揚げる花道では目を潤ませ、鼻を赤くして取材に応じた。「もう一度鍛える。必ず上を目指して精いっぱい頑張る」。力強く再起を誓った。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕優勝決定ともえ戦、阿炎（左）にはたき込みで敗れた高安＝２７日、福岡国際センター